自民党・小野寺氏「日本に反撃能力が必要な理由」 「中露北3カ国連携の複合事態へ危機感持つべき」

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小野寺氏:それは違う。専守防衛、盾と矛の関係が今までなぜ成り立ってきたか。弾道ミサイルなどの装備が出てくる前は、爆撃機が来る、戦闘機が来る、戦艦が来る、というのは時間があった。「あ、来ているぞ」「危ないぞ」というときに、まずは自衛隊が守っている中で、アメリカが大きな打撃力を行使してくれる。だからこのときは盾と矛の軍事合理性はあった。今は防衛装備がまったく変わり、十数分で(弾道ミサイルが)飛んでくるようになった。こうなると、日本が攻撃された、アメリカ大統領に電話して「助けてほしい」。アメリカ大統領は閣議を招集して議会関係者に説明して、「わかった、行く」と言ったら数日かかる。日本は焦土となってしまう。この問題の根幹は、日本が変わったのではなく、国際社会と攻撃のされ方が変わったということ。攻撃のされ方が変わったことに対応するために、やむをえない形で、まずはここを食い止めなければ、アメリカの最終的な来往が待てない。こういう緊迫感があるので、反撃能力は必要だ。

あくまでも平和を守るために

小川氏:一方、実力装備優先の議論がかえって緊張を高めることや、長年日本が大事にしてきた平和国家としてのブランドを毀損する可能性もある。そういう慎重な意見も国内にはある。私たちはそれを代弁する責任がある。あえて慎重に抑制的な立場から議論をさせてもらっている。もう1つ、これだけ是非議論させてほしいのだが、まさになぜ戦争に至ったのかという外交プロセス。プーチン大統領を許すつもりはないし、言語道断だと思っている。しかし、アメリカのミサイル防衛制限条約を一方的に撤廃したブッシュ政権の歴史。そして、中距離核戦力を全廃したトランプ政権の歴史、そして、NATOの国境線がどんどん旧ソ連の国にまで及んできた歴史。ジョージアとウクライナに「NATOに入れ」と言ったのは、当時、ブッシュ政権下で国防産業との関わりが深かったチェイニーだ。メルケル氏(ドイツ前大統領)が、それはロシアを刺激しすぎるからダメだと言っていた。こういう国際的な全体バランスを考える外交努力や国際対応を積み重ねてきたのか。また、ゼレンスキー政権もそうとうロシアに対しては強行的な姿勢をとってきた。

(画像:FNNプライムオンライン)

松山キャスター:小川さんから「自民党の中での議論は前のめりすぎだ」との意見があったが。

小野寺氏:まず訂正しておきたい。アメリカがミサイルの協定から出たというのは、中距離のミサイルで、各国とも中距離のミサイルを持たないようにしようと約束したのだが、中国は入ってないためどんどん持つようになっている。ロシアは実は、別な形で作っている。今、東アジアでの中距離弾道ミサイルは、ロシアと中国で1,900発だ。それには日本を狙っているものも含まれている。アメリカと日本は1発もない。ゼロだ。勝手に抜け穴でやってる人たちに対抗するために、アメリカが(条約から)抜けて同じようなものを持たなければ、抑止力にならない現実がある。あくまでも平和を守るために自分たちが力を高めなければ、だめだというのが、今回のウクライナ情勢が示す現実だ。こちらから攻撃することはない。やられたときにやるということだ。日本の周りには中国、ロシア、北朝鮮がある。今回、自民党は脅威見積もりを変えた。この3カ国は連携している。世界でこういう複合事態がもしかしたらあるかもしれないという国は日本だ。日本がいちばんいま、危機感を持たなければいけない。

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