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国内自動車メーカー出揃ったEV動向、今後の行方 EVメーカー化のホンダと日産、追従するトヨタ

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日本での今後のEVラインアップ(写真:本田技研工業)

また軽商用EVであれば、何百キロも走れなくても、一充電で100km走行できれば多くの仕事ができるだろう。車載バッテリー量を減らせば、これも原価低減につながる。

限界を見極めたあと、軽乗用EVへ装備や性能を拡充していく戦略だ。そういう挑戦を、ホンダはやろうとしているといえる。

最後は、初の本格的量産EVの販売を開始するトヨタである。

トヨタは2022年4月12日に新型BEV「bZ4X」を5月12日に発売することを発表した(写真:トヨタ自動車)

bZ4Xは、トヨタ初の量産市販EVとして、完成度の高い品質を備えている。56年前の1966年に誕生した初代カローラの長谷川龍雄主査による「80点+α主義」のとおり、主要な性能を満たしたうえで、輻射熱ヒーターのような新たな快適装備への挑戦を行っている。

販売は、サブスクリプションのKINTO(キント)やリースで行うとし、バッテリー劣化や下取りの不安を解消するという。トヨタの顧客はまだEVの経験がないので、嫌悪感を持たせない配慮がある。

一方で、EVらしい魅力は遅れをとっているといえなくもない。日産リーフから12年、ホンダeから2年遅く、アメリカのテスラから10年、BMWから9年遅れだ。その間、他社からもEVが続々と市販された。国内的には、ホンダからわずか2年の遅れでしかないが、エンジン車の2年とEVの2年とでは比較にならない差が生じてしまう。

日産とホンダに比べるとインパクトの薄いトヨタ

bZ4Xbは、e-TNGAの考え方に基づく、BEV専用プラットフォームを採用(写真:トヨタ自動車)

自動車メーカーは、電気を使うからといって家電メーカーにクルマはつくれないと高を括ってきたが、それは矮小な見方だ。EVは、スマートフォンの開発競争に近いくらい短期間で性能も価値観も変わってしまう。だからこそ、家電メーカーや情報通信企業の知見や発想力が問われるのである。

韓国や中国のEVが急速に完成度を高め、外観の造形も進化し、世界各地の市場で成果をあげはじめているのも、日本や欧米の自動車技術者やデザイナーが参加することにより、日本や欧米が数十年かけて積み上げてきた知見を数年で活かしているからだ。そしてスマートフォンの開発競争で中韓はしのぎを削る。その迅速さを見落としてはならない。

トヨタの発表やワークショップでの技術解説を聞いても、あまり目新しさはなかった。

全固体電池の実用化と市場導入を含め、EV開発でトヨタがどこまで早く追い上げを見せるか、そこが問われる。それには何より数多く販売し、顧客に距離を走ってもらい、現実社会の情報を手に入れるしか方策はない。当初の国内導入が5000台では、全国5000店といわれる販売店で1台ずつ売る計算にしかならないのである。

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