賢い子を育てる!読み書き計算より大事な1つの事 子ども時代しか持てない疑問を持つことが重要
──知的好奇心ですね。ただ、親である自分が勉強が苦手なので、子どもの能力を上手にのばしてあげられるか不安です。
隂山:「かえるの子はかえる」みたいな言い方ありますよね。あれ、僕はすごく嫌いなんです。親の頭のよさが子どもに関係あるかといえば、関係ないといえば関係ない、関係あるといったら関係がある。その程度です。
万が一あなたが勉強が苦手だとして答えを教えられなくても、子どもはそのこと自体はなんとも思わないです。「ああ、ママはここわからなかったんだ」って思うだけですよ。自分の母親が「バカ」だと言う子どもはそうとうひねくれてます。まずいないはず。
ただ、そのことをきっかけとして、お母さんがわからないことを調べたと。それで「わかんなかったけど調べたらこれおもしろかったね」って言ったらどうなりますか? 勉強ってそういうものなんだ。わからなかったら、そうやって調べればいいんだって子どもも思うじゃないですか。
だから親がかしこいかどうかは大事ではないんですね。「親のかまえ」が大事です。実際問題、小1の算数はともかくとして、小3小4になってくると、算数や数学が苦手だったら、教えられないことが出てくるかもしれません。
そのときに全部の答えを知っている必要はないし、「本当はわかってます」みたいに去勢を張る必要もない。「お母さんみたいにならないように勉強するのよ」とかって自虐する必要もありません。子どもはお母さんのことがまるごと大好きなので、お母さんは子どもの前で取り繕つくろう必要は全然ない。ナッシングです。
ただ、「わからない」をほったらかしにしないで、子どもの「知りたい」という気持ちに共感して、わからなかったら調べるとか、やってみせるとか、そういう親の態度を子どもは見ています。子どもと一緒に学ぶ姿勢はつねに持っていてください。
子どもの宿題の丸つけをお願いされたら
──子どもと一緒に学ぶといえば、この前学校から「保護者が丸つけをしてください」と言われました。丸つけする際の注意点などはありますか?
隂山:しばしばTwitterでも話題になりますが、丸つけを親にお願いする学校が多いようです。僕は断固反対です。
みなさん丸つけの目的を見失っている気がするんですが、丸つけは「答えが合っているかどうか調べる」ためではないんですね。間違っているところを見つけて、なぜ間違えたのかを考える。それが丸つけの意義なんです。
だから僕は教師時代、テストの丸つけは生徒との会話だと思っていました。「なんで君はここが解けないんだ」っていうことをテストを通じて、答案チェックを通じて語りかけるわけですよ。
「君は、ここ間違うところじゃないだろう。なんで間違えるんだ」と。そうすると必ずそこにはミスがあるんです。僕の教え方のミスもあるし、その子の理解が足らない場合もある。
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