トヨタとホンダ、旧車部品再販車種が増えない訳 旧車ブームで問われる自動車メーカーの姿勢

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ホンダの復刻部品に関するサービスについて

発売から30年が経過しても愛され続ける、軽オープン2シーターのビート(筆者撮影)
発売から30年が経過しても愛され続ける、軽オープン2シーターのビート(筆者撮影)

一方のホンダでは、1991年に発売した軽オープン2シーターのビートについて、2017年から部品の復刻販売を行っている。提供する部品は、エンジン系やシャーシ系、トランスミッション系など、こちらも走行に必要な部品が中心で、当初は全91点を提供していたが、現在は15点が欠品となり76点を販売している。取り扱いは、ホンダカーズなどの販売店で、ビート補修部品再販の活動をともに盛り上げる12の協力店も設けている。

軽トラックのアクティトラックの復刻部品を再販したホンダ(筆者撮影)
軽トラックのアクティトラックの復刻部品を再販したホンダ(筆者撮影)

今回の展示会では、軽トラックのアクティトラックの復刻部品再販についてもアナウンスした。対象となるのは、1988年に発売された2代目モデルのうち、1990~1999年に発売したモデル(HA3/4型)だ。なお同プロジェクトは、2020年から開始していたが、公表するのは今回がはじめて。エンジン系やトランスミッション系、ブレーキ系やラジエーター関連など、2022年3月時点で60点の部品を提供している。

アクティトラックの全国残在台数と再販部品の出荷数ランキング(筆者撮影)
アクティトラックの全国残在台数と再販部品の出荷数ランキング(筆者撮影)

アクティトラックは、初代モデルが1977年に発売され、2021年4月に生産終了となった4代目まで、40年以上販売されたホンダを代表する軽トラックだ。運送業や農業など、多くの事業者に使われたホンダ商用車のヒットモデルで、ホンダの調べによれば、2021年12月時点で全年式の全国残存台数は57万台以上。2代目モデルのうち、1990年以降に販売された排気量660ccモデル(HA3/4/5型)でも12万8085台が残っているという。ホンダは、2021年に同モデルの生産を終了したことで、現在は軽トラックの販売を行っていない。だが、いまだに多くのユーザーが愛用しており、とくに今回対象となる2代目モデルは残存台数が多いことも後押しして、廃版となった純正部品を復刻販売することを決めたという。

4輪のほか、2輪でも旧車部品を再販

ちなみにホンダでは、ほかにも国産スーパーカーの代表格「NSX」のうち、1990年に発売された初代モデルをレストアするリフレッシュプラン(2022年3月末現在、受付を一時休止中)も実施。また2輪車メーカーでもある同社では、1960年代後半から1970年代に世界的に人気となった「ドリームCB750フォア」や「CB750F」、1980年代中盤から1990年代前半に一世を風靡したレーサーレプリカと呼ばれるモデル「NSR250R」の部品も再販。1987年に限定販売した高性能スポーツの「VFR750R(RC30)」については、部品再販のほかに、NSXと同様のリフレッシュプランも実施している。

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