トヨタとホンダ、旧車部品再販車種が増えない訳 旧車ブームで問われる自動車メーカーの姿勢

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トヨタのGRヘリテージパーツとは

GRヘリテージパーツの概要(筆者撮影)
GRヘリテージパーツの概要(筆者撮影)

GRヘリテージパーツは、トヨタ車のチューニングパーツやコンプリートカーなどを手がける「トヨタ・ガズーレーシング(TOYOTA GAZOO Racing)」が、2020年から開始したサービスだ。第1弾は、スポーツモデルであるスープラのうち、1986年発売のA70型と1993年発売のA80型の復刻部品を販売。同年8月には、第2弾として世界的スポーツカーとして名高いトヨタ2000GTに対応するサービスを開始した。以後、2021年8月には第3弾として、1960年に発売したSUVモデルの40系ランドクルーザーについて部品の復刻と販売を発表(サービス開始は2022年4月1日から)。2021年11月からは、第4弾として1983年に発売したライトウェイトスポーツのAE86型カローラレビン/スプリンタートレノについてもサービスをスタートさせている。

GRヘリテージパーツとして用意されているスープラ用の部品(筆者撮影)
GRヘリテージパーツとして用意されているスープラ用の部品(筆者撮影)

当サービスでは、車種によって再販部品の内容は多少変わるが、例えば、A70型スープラではプロペラシャフトやドアハンドル、2000GTではトランスミッション関係やデファレンシャル関係、AE86型ではリヤブレーキキャリパーやリヤドライブシャフトなど、主に走行するために必須となる駆動系や制動系などの部品が中心だ。

GRヘリテージパーツとして用意されているランドクルーザー用の部品(筆者撮影)
GRヘリテージパーツとして用意されているランドクルーザー用の部品(筆者撮影)

ランドクルーザーについては、サービス発表後に復刻パーツのリクエストを公式ホームページなどで募り、それらの中から要望が多く、なおかつ復刻が可能な部品について順次発売をしており、最近では、ほかの3車種についても同様にユーザーからのリクエストをウェブで募集している。

トヨタ販売店以外でも部品購入可能

GRヘリテージパーツとして用意されている2000GT用の部品(筆者撮影)
GRヘリテージパーツとして用意されている2000GT用の部品(筆者撮影)

ちなみに提供する部品には、車種にもよるが、復刻したもののほかに、現在供給中の部品のなかで、当時の部品と互換性があると確認できた代替部品もある。取り扱い先は、トヨタ販売店やGRガレージ(トヨタ・ガズーレーシングが手がける「GR」ブランドのコンプリートカーなどを販売する専門店)、カー用品量販チェーンのジェームスなどで展開。また、楽天市場でもオンラインショップを設置し、国内だけでなく、海外からの注文も受け付けている。

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