トヨタとホンダ、旧車部品再販車種が増えない訳 旧車ブームで問われる自動車メーカーの姿勢
担当者は、「車種を増やすことよりも、今は対象となっているモデルについて、供給できる復刻部品をなるべく増やすことが重要」だという。まずは、4車種について、「走る・曲がる・止まる」ために必要な部品を市場に供給。そして現在は車種によってほぼ提供できていない内外装の部品も手がけたいという。つまり、車種の拡大は、現状の対応車種における課題解決のあとに検討すべき、次のフェーズということだ。ちなみに今回の展示会出展も、既存サプライヤーの負担を軽減することや、提供する復刻部品の充実を図るために、新規サプライヤーを募ることも目的のひとつだという。
ホンダが考える部品復刻の課題
ホンダの場合、人気が高い旧車については、例えば、1999年に販売されたオープンカー「S2000」の純正部品も、現状でほぼ80%を提供できているという。また、NSXやビート、アクティトラックなど、ホンダ車のなかでもユーザーが長く乗り続ける車種については、すでに復刻部品の再販サービスを行っている。
ただし、ビートについては、これも先述したように、15点が欠品しているが、これらについて再生産による補充の予定はいまのところないという。理由はやはり、「サプライヤーの負担が大きい」ことだ。また、ホンダでは、旧車の復刻部品サービスも、現行車の補修部品を手がける部品事業部で行っているが、半導体などの部品不足などの影響が大きいことも伺える。現行車も含めた全体の総数で見れば、欠品中のビート用部品15点の数量は割合が小さく、なかなか手が回らないのも実状なのだろう。
トヨタにしろ、ホンダにしろ、こうした事業は、各社のモデルを長年乗り続けているユーザーに対するアフターフォローだ。トヨタの発表を引用すれば、「思い出の詰まった愛車に乗り続けたい」というユーザーの想いに応えることが目的だ。
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