トヨタとホンダ、旧車部品再販車種が増えない訳 旧車ブームで問われる自動車メーカーの姿勢
スポーツカーを中心に盛り上がりをみせる国産旧車ブーム。例えば、1967年発売のトヨタ「2000GT」が1億円、1989年の日産「R32型スカイラインGT-R」が1000万円を超える値段で取引されるなど、人気車種は価格が高騰し、まるでバブル景気の様相を呈している。また近年は、1980年代から2000年代前半に生産されたスポーツカーを中心に人気車種が拡大しており、数年前までなら手の出たモデルも高嶺の花となってきている。
そうした国産旧車ブームを背景に、自動車メーカーも生産終了モデルのなかで、とくに人気の高い車種については補修部品などを復刻し、販売する取り組みを行っている。一方でレストア業者などからは、「人気のある旧車でもメーカーから部品の出ない車種は多い」といった声も上がる。これは、メーカーが展開する部品再販サービスに対応している車種の少なさが要因となっている。
例えば、トヨタが展開する「GRヘリテージパーツ」では4車種(2000GT、A70型/A80型スープラ、AE86型カローラレビン/スプリンタートレノ、40系ランドクルーザー)、日産の「NISMOヘリテージパーツ」では3車種(R32型/R33型/R34型スカイラインGT-R)、ホンダは「NSX」や「ビート」など、マツダは2車種(NA型ロードスター、FC型/FD型RX-7)といった具合だ。各メーカーの現状を見ると、ほんの一握りの車種にしか部品再販サービスを展開していないことがわかる。
絶版車部品の復刻、ホンダとトヨタの最新動向
では、なぜメーカーは、市場からのニーズが高まっているにもかかわらず、部品再販の対象車種を絞っているのだろうか。じつは最近、その点について、ちょうどトヨタとホンダに話を聞く機会があった。自動車アフターマーケット関連の展示会「第19回 国際オートアフターマーケットEXPO2022」(3月9日~11日・東京ビッグサイト)に、両社が旧車部品再販サービスを紹介するブースを展示していたのだ。
展示会では、トヨタはGRヘリテージパーツの全対応車種について、ホンダではビートに加え、軽トラック「アクティトラック」部品再販の開始を紹介していたのだが、各社の担当者にそれぞれのサービス内容などに加え、筆者の疑問をぶつけてみた。両社が行う旧車部品サービスの方針や課題、対応車種を増やせない事情などについて取材したので、紹介していきたい。
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