中国でオンラインゲームの新規リリースの認可が8カ月ぶりに再開された。ゲームを含む出版物の版権管理を所管する国家新聞出版署は4月11日、国産オンラインゲームに付与する「版権番号」の2022年4月分をウェブサイトで公表し、新たに45件のリリースを認めた。
今回認可されたゲームタイトルには游族網路(ヨーズー・インタラクティブ)の「少年三国志:口袋戦役」、雷霆遊戯(レイティン・ゲームズ)の「塔獵手」、西山居(シーサン・エンターテインメント)の「剣侠情縁3縁起」、心動(XD)の「派対之星」、三七互娯(37インタラクティブ・エンターテインメント)の「夢想大航海」などが含まれている。
前回の認可は2021年7月であり、中国のゲーム・ファンは久しぶりに新規タイトルをプレーできることになった。なお、今回の認可対象にはネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)および網易(ネットイース)の系列ゲーム会社のタイトルは含まれなかった。
オンラインゲームの認可が長らく中断していた背景には、2021年9月、国家新聞出版署が未成年者のゲーム依存症を予防するための規制を大幅に強化したことがある。18歳未満の未成年者に対するオンラインゲームの提供を週末の金曜日、土曜日、日曜日および祝日に限定し、時間帯も午後8時から9時までの1時間だけにしたのだ。
本人確認強化で既存タイトルも再審査
それと同時に、国家新聞出版署のウェブサイトで毎月開示されていた新規タイトルの認可情報の更新がストップした。
「ゲーム依存症予防の規制が強化されて以降、ゲーム会社は未成年者が他人名義でプレーできないようにシステム改修を求められ、(既存タイトルを含めた)本人確認プロセスの再審査を受けなければならなかったからだ」。財新記者の取材に応じたゲーム業界の複数の関係者は、新規認可の再開まで時間がかかった事情をそう明かした。
今回の認可から外れたテンセントとネットイースは、中国のオンラインゲーム市場でのシェアが合計6割を超える。そのため、当局の規制強化の風当たりを最も強く受けている。新たなゲームタイトルをリリースできないなか、テンセントのオンラインゲーム事業は大きく失速。2021年10~12月期の国内ゲーム事業の売上高は前年同期比わずか1%増にとどまった。
調査会社の伽馬数据のレポートによれば、2021年の中国ゲーム市場の規模は2965億1300万元(約5兆7886億円)と、前年より6.4%拡大した。しかし2020年の20.7%と比べて成長率は大幅に低下しており、規制強化の影響の大きさを浮き彫りにしている。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は4月11日
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