中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は4月6日、ドイツのテューリンゲン州で建設中の新工場が、州政府から年間8GWh(ギガワット時)相当のバッテリーセルの生産許可を取得したと発表した。生産開始は2022年末を予定している。
CATLにとってドイツ工場は初の海外生産拠点である。同社は2018年7月、2億4000万ユーロ(約324億円)を投じてドイツに生産・開発拠点を設けると発表。2019年6月には18億ユーロ(約2429億円)を追加投資し、年間14GWhの生産能力を築く計画を打ち出した。
ドイツ工場は現地の既存の建屋を買い取った部分と、新たに建設中の部分で構成されている。前者ではバッテリーセルを電池モジュールに組み立てる作業を行い、後者ではバッテリーセルそのものを生産する。
世界市場の3割、中国市場の5割握る
韓国の調査会社SNEリサーチのデータによれば、CATLは2022年1月から2月までの車載電池のグローバル市場で34.4%のシェアを握り、首位に君臨している。中国市場でのシェアはさらに高く49.2%に上る。
中国政府は世界に先駆けてEV(電気自動車)の普及を強力に後押しし、関連産業を育成してきた。その結果、中国は世界最大のEV市場に成長。車載電池に関しては、CATLを含む中国のメーカーの生産能力が全世界の約7割を占めている。
その後、ヨーロッパやアメリカでも自動車産業のEVシフトが本格化すると、中国の電池メーカーは現地の需要を取り込むため、海外工場の建設計画を続々と打ち出した。CATLが公表している海外顧客のリストには、アメリカのテスラやヨーロッパのBMW、メルセデス・ベンツグループ、ステランティスなどが含まれている。
中国、ヨーロッパ、アメリカの3大マーケットは自動車産業にとって最重要の市場であり、CATLはそこでのリードを死守しなければならない。現時点での同社の最大のライバルは、2022年1~2月のグローバル市場で13.8%のシェアを獲得した韓国のLGエナジーソリューションだ。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月8日
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