民主党代表選、「僅差」がもたらす影響とは? 決選投票での票差は7票差
長妻氏の主張と岡田氏の主張はともにリベラル。本人たちも認めるように極めて似ている。代表選での討論会で、対決したこともない。
だが細野氏は、安全保障や経済政策の面で他の2人と異なる。公開討論会でも岡田氏と長妻氏が細野氏に対して論争を挑む場面が見られた。にもかかわらず、長妻氏の票が細野氏に動いたのだ。それはなぜなのか。大きく影響しているのは、昨年末の衆院選だ。
岡田氏は国政選挙担当の代表代行として維新の党との選挙協力に動いたが、成功したとはいえず、「しこり」が残った。実際に12月17日に開かれた両院議員懇談会でも、愛知県12区の中根康浩氏を比例単独にまわしたことなどで大いに紛糾している。
例えば兵庫県では、細野氏が1500票の党員・サポーター票を獲得したのに対し、岡田氏が獲得した票は871票にすぎない。同県内では3区と7区で民主党と維新の党の公認候補がぶつかり、ともに撃沈。8区と9区では、両党いずれからも公認候補を建てられなかった。また5区で出馬の準備をしていた元職の梶原康弘氏を降ろし、前職とはいえ地盤が強くない維新の党の三木圭恵氏に小選挙区を譲らせたことは、県連内で大きな反発を生んだ。梶原氏は2012年12月の衆院選で落選したとはいえ、2度当選を果たしていたからだ。
地方議員は細野氏支持が多かった
さらに問題は、地方自治体議員票の結果だろう。地方議員票は長妻氏に284票、細野氏に649票、岡田氏に532票投じられている。細野氏の方が岡田氏より117票も多かったのだ。これは今年4月に予定される統一地方選で、多くの地方議員が党の顔として「細野代表」を選択したことを意味する。
この件について岡田氏は新代表就任会見で、「地方議員の意見についてはいろんな分析がある。電話をかけた反応は悪くはなかった。(網膜剥離で手術・入院したための)出遅れが響いたのではないか」と述べたが、正面から答えているとはいえない。
僅差であったことは、党運営にも響く。安定性を確保するために、どのような党人事を行うかが重要になってくる。
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