コロナで増加!「子どもの疲労骨折」を防ぐ方法 「牛乳ラッシー」を飲むべきこれだけの理由

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さらに、都丸さんは、外出せず日光に当たらなくなってしまったことも、骨の成長を弱めた一因だと指摘する。皮膚が日光に当たることで、体内でビタミンDが作られる。これが腎臓などで活性化ビタミンDに変わることで、骨を作るカルシウムの吸収率を高めてくれる。これまで登下校などで十分日光を浴びていた子どもが、自宅にこもってしまうことで十分なビタミンDが生成されなかった可能性もある。

都丸さんは「子どもの場合は、ビタミンDは食生活よりも、むしろ日光に当たることによって得られるほうが多く、必要量の6~7割は日光によって作られます。今の時期ですと、日中で30分程度、朝・夕方で1時間程度はしっかり日光に当たることが大切です」と強調する。

疲労骨折は一度起こすと再発しやすく、注意が必要だ。

「疲労骨折をする子どもは、疲労骨折しやすいなんらかの因子を持っている可能性があります。再発を防止するために、靴を柔らかいものに変えたり、走る場所を固いコンクリートではなく柔らかい場所にしたりといった対策をおすすめしています。また、できれば休校中でも、1日1時間程度、屋外で走り回るなど、ある程度負担のかかる運動を継続するといいと思います」(都丸さん)。

休校明け直後は、足の疲労骨折だけでなく、転倒による手首の骨折も増加したという。いずれにせよ、たった数カ月の休校でも、子どもの骨に与える影響は大きそうだ。

カルシウム不足と骨端線

自宅待機による骨への悪影響は、日光や運動不足だけではない。学校給食がなくなったことによるカルシウム不足を懸念するのは、県立広島大学保健福祉学部理学療法学コース(広島県三原市)教授の飯田忠行さんだ。

飯田さんによると、子どもの骨の先端には、骨が強く成長するのに欠かせない「骨端線(こったんせん)」という部分がある。初めは軟骨のように柔らかいが、やがて伸びて硬くなり、やがて骨になっていく。この骨端線が骨になるときに必要となるのが、カルシウムだ。

カルシウムは、骨の成長のほかにも、血液凝固や筋肉の収縮などに使われるため、血液中では常に一定の濃度が保たれなくてはならない。カルシウムの摂取量が足りないと、体内の骨や歯を削って血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとする。文字通り、「骨身を削って」体に必要な量のカルシウムを確保するというわけだ。

つまり、骨の成長が止まる思春期以降は、骨は削られる一方。骨密度は20歳前後をピークに40歳ぐらいまで維持されるものの、その後年々減少していく。10代の頃に十分に骨が成長していないと、年齢を重ねてから骨粗しょう症や骨折などの骨トラブルに見舞われるリスクが高くなってしまう。

「成長期の骨密度が高ければ高いほど、将来骨折しにくい。逆に低ければ、骨の問題で困ることになってしまいます。休校で給食の牛乳を飲めないのであれば、自宅で何か工夫をしてカルシウムを摂取する必要があります」(飯田さん)

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