ソニー、「ポスト・テレビで復活」のシナリオ 今度こそ、独自の世界を築けるか

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ただし米国では価格帯が5万ドル(日本円で約580万円)と高額なことから、まだ一部の富裕層が購買し始めた程度。日本でも同程度の価格帯になるとみられ、普及には時間がかかりそうだ。ただ普及という観点を、より意識された製品も登場している。より小型かつ低価格帯の「ポータブル超短焦点プロジェクター」である。

ポータブル版は、昨秋ドイツで行われた家電見本市「IFA」でコンセプトモデルとして発表されたが、今回のCESでは形状や機能をブラッシュアップして展示。価格帯や地域は未定ながら、2015年年明けにも発売されると発表された。

平井社長直轄の肝いりプロジェクト

「大型の4Kプロジェクターはフラッグシップの機種と位置づけているが、販売台数は重視していない。むしろそれで映像体験をしてもらい、ポータブルなど小型のプロジェクターで普及を図りたい」。ソニーTS事業室の中山隆司プロダクトプロデュサーはそう意気込む。

「シーリングスクリーン」では寝ながら映像鑑賞ができる

ポータブル版も大型の4K版同様、疑似空間の演出などが可能で、スクリーンをタッチして操作することもできる。CES会場ではさらに、ベッドに横たわって鑑賞する「シーリングスクリーン」や、テーブル上に映像を投影し、赤外線を使用して指先での画面操作を可能にした「テーブルトッププロジェクター」といった小型のプロジェクターが展示された。

一連のライフスタイルUXの商品群は、平井一夫社長の直轄プロジェクトとして製品開発が進められてきた。平井社長がこだわる、ユーザーに感動を与える“ソニーらしい”商品提案の目玉の一つ。普及の課題は何といっても価格だ。2016年にも投入されるポータブル版の価格帯が、まずは注目される。またプロジェクターならではの、投影の際に「室内の暗さ」が求められるといった技術面での課題も残っている。

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