子育て世帯の預貯金は結局、「何カ月分」必要か 資産形成のためのお金の置き場所を考える

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お金の置き場所や資産形成の方法についてご紹介します(写真:tomcat/PIXTA)
2022年4月より高校で「金融」が必修科目になりました。「お金のこと、教えられない!」という方も多いのではないでしょうか。幼少期から「お金」について学ぶことで、子ども自身が社会や自分の未来について考えるきっかけになるのではないでしょうか。今回はお金の置き場所や資産形成の方法についてファイナンシャルプランナーの水野綾香さんに聞きました。

預貯金は生活費の6ヶ月〜1年分が目安

――夫婦の老後や子どもの将来のために、資産形成をしたいと考えています。どんな方法があり、どうやって選べばよいのでしょうか?

当記事は、Domani(ドマーニ)公式ウェブサイトの提供記事です

目的や使う時期に合わせて、お金の置き場所を決めましょう。出し入れの多い流動性の高いお金の置き場所としては、銀行やゆうちょ銀行などでの預貯金がいちばんいいと思います。お金が増える増えないということではなくて、お金を引き出しても損をしないということが重要です。

銀行にお金を預けるメリットは元本保証です。1000万円(とその利息)までは元本保証されています。日々の値動きでお金が減ったりすることはないですし、いつでも引き出せるのはいいですね。

デメリットはみなさんご存じのとおり、お金を預けておいても増えないということです。またインフレと言って、物の値段が上がってしまったときにも対応できません。

インフレとは、例えば、今りんごが1つ100円だとします。10年後に物価が上がって、200円のりんごが世の中にあふれるとします。そうすると今は100円で買えるのに将来は買えない、100円というお金の価値が下がってしまうということです。預貯金や、現金でお金を置いておくということは、インフレになった場合に、実質資産が目減りしてしまうということなんです。

日本は今までは物価がどんどん下がっていく時代(デフレ)だったので、結果として現金を持っていればよかったのですが、今後はインフレ(物価上昇)の懸念もあるので、一定の預貯金が準備できているのであれば、あとのお金は中期や長期の未来を見据えて資産運用に回すのがよいかと思います。

――預貯金はどれくらいあったらいいでしょうか?

目安は、1カ月の生活費の半年から1年分ほど。例えば毎月40万円で生活している家庭の場合は半年分であれば240万円、1年分であれば500万円前後。これくらいあれば、急な病気や失業があっても療養に専念したり、お金のことを心配せずに当面暮らすことができます。

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