子育て世帯の預貯金は結局、「何カ月分」必要か 資産形成のためのお金の置き場所を考える
国や地方公共団体、一部の企業がお金を調達するために発行しているのが債権です。債券を購入すると、発行体にお金を貸すということになります。発行体からは見返りとして定期的に利子を受け取ることができ、また満期が来ると元本の返済を受けることができます。普通預金の金利より高い金利で資産を増やすことができます。
――債券はどこで購入できますか?
証券会社や銀行などで購入することができます。株よりもリスクが少なく、満期を迎えるまで持っているだけでいいので投資初心者や、仕事や家事などで忙しい方にも向いているかと思います。満期は個人向け国債なら3年や5年の中期のものから、10年以上の長期のものもあります。
注意しておきたいのが、満期前に解約すると元本割れする可能性がある点です。また、発行している団体や企業の信用度も見極めることが必要です。債券にかかわらず、株式や投資信託などで運用益などが発生した場合には約20%の税金がかかります。詳しくは各金融機関窓口でご確認ください。
短期取引はギャンブルの考え方
短期視点で見ると、特に投資初心者の場合は個別株を買うのはあまりおすすめできません。投資の基本は長期・積立・分散投資という観点から、ご自身の資産が1つ、もしくは少数の企業に集中してしまうのはリスクが高くなるからです。
例えば、アップルやグーグル(アルファベット)などの株を20年前に買っていたら、今頃大金持ちになっていたでしょう。だけどこの20年で無くなっている企業もたくさんあります。その企業の株を買っていたら、その分の資産はゼロになります。
また、日々株価が上がったり下がったりするので、仕事や子育てをしながら株を売買するタイミングをチェックする時間があるのかも考えましょう。値下がりしたときに精神的にダメージを受ける人も多く、投資初心者の方だと安心してご自身の生活を送れないのではと懸念します。短期で売買するのは、資産形成とは言えず、ギャンブルのようなものです。
――私も以前個別株を持っていたんですが、値動きが気になって仕事中もしょっちゅうスマホを見てしまって。疲れてしまいすぐに手放しました。
何か好きな商品を提供している企業の株を買って、企業の成長を応援していくスタンスでの長期保有が前提なのであれば、すごくいいと思いますよ。子どもと一緒に経済を学ぶとか、投資をきっかけにその企業のサービスや財務体質、関連業界などに関心を持って勉強をするという考え方もあります。お年玉で安価で買える株を買ってみるというのも非常に面白いですよね。