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東北大・前総長「10年後に論文数2倍は達成可能」 卓越大の申請計画を主導した大野英男氏に聞く

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「卓越大計画」の狙いとは。

東北大学総長特別顧問・前総長の大野英男氏
大野英男(おおの・ひでお)/東北大学総長特別顧問・前総長。1954年生まれ。82年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。北海道大学工学部助教授、東北大学電気通信研究所所長などを経て2018年4月〜24年3月に東北大総長。24年4月から現職(撮影:今井康一)

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『週刊東洋経済』4月27日-5月4日 合併号の深層リポートは「東北大学 卓越大計画の高いハードル」。10兆円規模の「大学ファンド」の支援対象となる最終候補に選ばれたのは東京大学でも京都大学でもなく、東北大学だった。

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世界最高水準の研究大学を目指し、政府の立ち上げた10兆円規模の大学ファンドから助成を受ける国際卓越研究大学(卓越大)制度。

その卓越大の唯一の最終候補に東北大学が選ばれた。東北大は審査を行った有識者会議が示した課題を踏まえ、計画の最終調整を行っており、今年度中にも卓越大として正式に認定される見通しだ。

申請計画の作成を主導した大野英男前総長(現総長特別顧問)に計画の狙いを聞いた。

 

──卓越大の最終候補となりました。

全学が一丸となって変わりたいという意志が評価されたのだと思う。卓越大として正式に認定されることにまず全力を尽くすが、東北大を多様な人材や企業などが共創するプラットフォームへと進化させたい。大学は「知」を創造する役割があるが、なかなか活用されてこなかった。社会とともに価値を創造する大学の姿を示したい。

自発的な研究には余裕が必要

──国際的に卓越した研究とはどのようなものですか。

2つの方向性があると思う。1つは理解の深さを求める方向性。もう1つは社会の課題解決やイノベーションに資する方向性だ。

前者はその深さを世界と競い、ともに深めていく。後者は東北大ならではのイノベーションが重要だ。例えば東北大が強い研究分野の1つに災害科学がある。災害に強い社会をどうつくればいいか、国際的な防災指針の策定などを主導している。

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