山本太郎氏「参院鞍替え」実は与党が戦々恐々な訳 出馬選挙区明かさず、各党の選挙戦略は混乱必至
会見で山本氏は、参院選情勢について「自民党が大きく議席を減らす結果にはならない」と予測したうえで、「空気を読まない私たちが議席を増やし、声を大きくする必要がある」などと繰り返し、れいわの勢力拡大が必要と訴えた。
注目の挑戦選挙区については、「今は言わない。指定席が決まっているところを崩しに行く」と不敵な笑みを浮かべた。併せて、れいわが独自候補擁立を決めた選挙区(埼玉、東京、愛知、大阪、福岡)からの出馬は否定。他野党との連携についても「(改選数2以上の)複数区では仁義なき戦いだ」と立憲民主など主要野党にも配慮しない考えを示した。
山本氏は人気俳優・タレントだったが原発反対で政治活動を始め、2013年の参院選東京選挙区で初当選。2019年参院選比例区では落選したが、れいわが政党要件を満たしたことで党代表となり、2021年10月衆院選での比例東京ブロック当選で、約2年ぶりに国政復帰を果たしたばかりだった。
山本氏の議員辞職願は4月19日の衆院本会議で認められる見通し。その場合、れいわの比例名簿で次点だった櫛渕万里氏が繰り上げ当選する。山本氏は会見に櫛渕氏を同席させ、カメラ撮りのため両氏の握手と議員バッジを手渡す場面を設定するなど、巧妙な演出も見せた。
「嫌ですよ、僕だって議員バッジ外すの」
山本氏は、半年前の衆院選ではぎりぎりまで小選挙区での出馬をちらつかせ、標的とされた自民の大物候補をハラハラさせた。しかし当選確率の高さを優先した結果、最終的には比例東京ブロック1位を選び、衆院初当選を果たした。
山本氏は会見で、「議員辞職せず、参院選に別の候補を立てるのが筋ではないか」との質問に「嫌ですよ、僕だって議員バッジ外すの。国会議員であることとないことで発言力が変わりますもん。落選のリスクももちろんある。でも、やるしかないんです」と語った。しかし、当選確率の高さを選挙区選びの基準とする考えもにじませた。
このため、会見後半では、参加記者らがあの手この手で山本氏の本音を引き出そうと試みた。同氏は軽妙な受け答えで煙幕を張り続けたが、「まだ決めきれていない」(れいわ関係者)のが実態とみる向きが多い。
また、山本氏は会見の中で、参院選比例代表を選ばない理由について「れいわ票のうち100万票を私が食うだけだ。確実に1議席を取りに行くほうが全体にプラスだ」と説明。選挙区で当選した場合は「6年間の任期を全うする」と明言した。
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