移住数が最多「20代女性」が東京に集まる深い理由 実は「企業の東京離れ」もほとんど起きていない

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東京に移り住むのは20代の女性が最多だそう。その理由を解説します(写真:node/PIXTA)
コロナ禍においても、都内各地の再開発プロジェクトの多くは進行しており、懸念されていた人々の地方移住も限定的で、「東京一極集中」の状態は続いています。東京にはなぜ、それほどのパワーがあるのか。そして東京には、これから先どんな未来が待ち受けているのか。
明治大学名誉教授の市川宏雄氏、株式会社ボルテックス代表取締役社長兼CEOの宮沢文彦氏の新刊『2030年「東京」未来予想図』から、東京の現在と未来を3回にわたって紹介します。

2020年8月31日、人材派遣業大手は、本社機能を東京から淡路島に移転すると発表しました。東京・大手町の本社に勤務する、主に管理部門の社員約1800人のうち約1200人を、2024年3月までに段階的に兵庫県淡路島に異動させるというのです。

おりしも、わが国は新型コロナウイルス感染症の感染拡大第2波が下げ止まっていた時期。すでに大手企業の多くがテレワークの導入を経験していたこともあって、このニュースをきっかけに「今後ウィズコロナ、アフターコロナを見据えて、企業の東京離れが加速する」と予測するメディアもありました。

では、実際にそういう動きがあったかというと、2022年2月現在、「企業の東京離れ」という現象はほとんど起きていません。

企業の8割「東京を離れるつもりはない」

2020年11月に公表された、経団連が東京に本社を置く経団連幹事会社(433社)を対象に行った「東京圏からの人の流れの創出に関する緊急アンケート」によれば、東京からの移転を「実施中」「検討中」と答えた企業は11.7%、「今後検討する可能性がある」と答えた企業を合わせても22.6%にとどまりました。およそ8割の企業が「東京を離れるつもりなどまったくない」ことがわかりました。

2020年初頭から始まったコロナ禍によってテレワークが推奨され、企業の地方移転が大きな話題になりながらも、企業の「東京に留まり続けたい」というマインドにはほとんど変化がなかったことになります。パソナのニュースはあくまでも例外的なケースであり、例外だからこそ大きなニュースになったのだともいえるでしょう。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生して以降、「東京からの人口流出」もニュースとして盛んに取り上げられました。新型コロナウイルス症感染拡大の流れの中で、大企業を中心にテレワークの導入が進み、ほとんどの大学では対面授業を取りやめてオンライン授業に移行。すると、「かならずしも東京都内に住んでいる必要はないのではないか」と考える人が増え、地方に移住するテレワーカーや東京の下宿先から地元に帰郷する大学生がニュースになったりもしました。

これら一連の報道もあって、「東京の人口はコロナ禍で大きく減少した」と思っている人が少なくありません。

しかし、事実は少し異なります。

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