反抗期の子を失望させる「早くしなさい!」の不毛 親が対話して「自分事化」できれば子どもは動く
しかし、子どもはこの行程を理解していません。「先のことを考えて動く」のは、子どもにとって、ちっとも当たり前ではないし、簡単ではありません。毎日同じことを繰り返しているはずだから、わかりそうなものですよね。やるべきことはわかっているかもしれませんが、
「今7時半。8時に家を出なきゃいけないから、もうゆっくり食べている時間はない!」
と、逆算して行動を起こすのは難しいのです。
そもそも、子どもは時計を見ません。本当です。小学校にはあちこちに時計が設置されていますが、時計で時刻を確認しながら率先して動く子は多くありません。もっと言うと、腕時計をしている子ほど遅刻します。身につけていても見ないのです。
子どもは時計を見ないし、先の見通しなど立たない。今にひたすら夢中です。
大人でも、仕事に集中していたり、趣味に没頭していたりするときの1時間は、飛ぶように過ぎ去っていきます。つまらない会議中や、やることがなくて暇なときは、時計が止まっているのかと疑うくらい時間は進みません。
要するに、「早くしなさい!」と親に急かされても、子どもはなぜ急かされているのかよくわからず、所詮は他人事なのです。「自分事」だと認識できていないため、焦って叱る親の言葉は、ただうるさいだけ。親と同じ見通しをもっていないので、子どもは、
「うるさい!」
「早くしてるしぃ」
などと「反抗」してしまいます。
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