「赤ちゃんがかわいい」が自己肯定感につながる訳 役に立たない自分の存在を認められるかがカギ
誤解しないでほしいが、自己有用感も自己効力感も非常に大事な概念だ。しかし、確固とした自己肯定感を確立することなく、自己有用感、自己効力感だけ伸ばそうとすると非常に危険なのだ。
ありのままの自分をなんの条件も付けずに受け入れ愛することができない状態で、「誰かの役に立っている」という自己有用感や、「何かできるという自信」という自己効力感だけ身に付けていくと困ったことが起こってしまいかねない。
例えば、自己肯定感が低い状態で自己有用感だけ高めようとすると、自分が本当にやりたいこととやりたくないことの線引きができず、本当はやりたくないことさえ引き受けてしまうようになる。これでは自分を大切にしている状態だとはいえない。
また、自己肯定感の低さを埋めるために自己有用感を高めようとしているときは、他人にも自己犠牲を期待してしまう。
自己肯定感が低いまま自己効力感だけを高めた場合、自分の存在価値を”何かができる”ということに頼っているので、その何かができなくなった途端、裸の大嫌いな自分が剥き出しになり、それに耐えられなくなる。
その結果、薬物やお酒に溺れたり自傷行為に走ったりしてしまうか、あるいは、他人をだましたり、言葉や体の暴力をふるって人を傷つけるなど、大きく崩れてしまう。
だからこそ、誰の役に立っていなくても、何もできなくても、つまり、自己有用感も自己効力感もゼロに近い状態でも、それでもそんな自分を受け入れて愛する「自己肯定感」を育んでいくことが大切なのだ。
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