成城石井の上場計画がこれほどまで話題になる訳 単に「高級スーパー」と思っていたら本質を見誤る
直輸入品が多いのは、成城石井が貿易会社を持っていることが大きい。まだ1店舗だった時代から、商社などに任せず、バイヤーが直に世界の商品を探し出し、買い付けてきたのだ。これは、国内も同様である。
野菜や果物の売り場が違うのは、大部分が生産者から直接仕入れる産地直送だからかもしれない。国内でとれたばかりの瑞々しい野菜に加えて、アスパラなど海外から空輸されてきた旬のものもある。
足を伸ばして豆腐、納豆、キムチなどの売り場に行ってみると、さりげなく成城石井の名前が入っていたりする。「オリジナル商品」と呼ばれている、成城石井が信頼できるメーカーと共同で作った、一般的にプライベートブランドと呼ばれる商品だ。これも、バイヤーが手がける。
ただ輸入したものを並べるだけでない細やかさ
お菓子のコーナーでも海外製のものは多い。ただ輸入したものを店頭に並べるだけではない。輸入品はワンパックの量が多く、包装は日本のクオリティのほうが高いため、小分けして自社で包装し直しているものもある。そんな細やかさも支持されている。
実は和菓子もラインナップが豊富だ。お菓子コーナーには地方の隠れた銘品がずらり。ここにもオリジナル商品がたくさん含まれていたりする。輸入もののイメージが強い成城石井だが、実は和のものも人気なのだ。
さらに成城石井で評価が高いのが、セントラルキッチンと呼ばれる自社工場で製造された自家製惣菜だ。一般的なスーパーやコンビニとは品揃えはまるで違う。和食、洋食、中華だけでなく、大ヒット商品「フォー・ガー」など、なんとエスニック料理まである。
一般的なスーパーは数百坪の敷地面積があり、バックヤードを持っていて、そこで惣菜の準備が行われることが多い。製造は基本的に外注され、バックヤードで簡単に加工し、店頭に出しやすい商品開発が行われている。開封して盛りつけるだけ、冷凍品をレンジであたためるだけ、揚げるだけ、が基本メニューだ。
だが、成城石井の店舗は、一部の大型店を除き、基本的にバックヤードで調理や加工はしない。まだ6店しかなかった時代に、惣菜を作る食品工場「セントラルキッチン」を自社で立ち上げたのだ。
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