新境地に立つ旭ダイヤモンド工業、金脈は太陽電池市場

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潜在市場は超巨大 求められる次の一手

足元では需要急拡大に向け、生産設備の増強が急ピッチで進む。11年は山梨工場でエコメップに付着させるためのダイヤモンド粒の生産を始めるほか、三重工場にも新棟を建設。12年度をメドに、エコメップの生産能力を現状の4倍程度に引き上げる計画だ。

ウエハ切断工程におけるエコメップの採用率は全世界でいまだ10%程度。太陽電池そのものの需要も、当面は右肩上がりで増えていく。従来工法からの置き換えと対象市場の拡大。二つの可能性をエコメップは秘めており、伸びしろは大きい。

裏返せば潜在市場の大きさこそが旭ダイヤにとっての新たな課題となる。現状、エコメップの売り上げの大半は国内向けだ。最大市場の中国は未開拓。今後は世界で戦うための、新たな戦略も必要になるはずだ。

軍需品から建築土木、自動車、半導体、そして太陽電池へ--。時代の産業と向き合い、顧客の声に応え続けたことが、エコメップの製品化につながった。旭ダイヤの次のステージは、かつて目にしたことのない規模の巨大市場。大海原にいかにこぎ出すか。手腕が問われている。

◆旭ダイヤモンド工業の業績予想、会社概要はこちら

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(小河眞与 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年2月5日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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