中国共産党の機関紙、人民日報は習近平総書記(国家主席)が進める「ゼロコロナ」政策は人命を守り経済を動かし続ける上で不可欠だと擁護した。だが、上海で新型コロナウイルスの新規感染者数が2万1000人を突破し、コロナへの厳格なアプローチに対する疑念が広がりつつある。
8日付の人民日報は1面に掲載した論評で、感染力の高いオミクロン変異株が感染拡大阻止を難しくしていると説明。その上で、問題を発見したらすぐに解決する「動態清零(ダイナミックゼロ)」の方針を「ためらうことなく」堅持しなければならないと主張した。
上海市は8日、新規の本土感染者が2万1222人に達したと発表。無症状が2万398人、症状のある感染確認は824人だ。
人民日報によれば、ゼロコロナ政策は「人々の健康と生命の安全に対する危害を減らすだけでなく、社会・経済発展と防疫対策のバランスを最大限に取ることができる」もので、「最も少ないコストで最大の防疫効果を得られる」ように設計されている。中国の一部地域では医療体制が十分でなく、不均衡なワクチン接種率や大きな高齢者人口も踏まえると、ゼロコロナは最善の選択だとしている。
コロナ感染拡大を容認して不安定さが広がる事態はほとんど受け入れられないとして、中国政府は今年いっぱいゼロコロナを続けると専門家らは予想する。中国で接種されている国産ワクチンは予防効果が低めで、当局が3月18日に明らかにしたところによると、80歳以上のワクチン接種率は約51%と多くの国より低い。
原題:Covid Zero Defended in China as Shanghai Cases Top 21,000 (1)、Shanghai Reports More Than 20,000 Covid Cases for April 7 (抜粋)
(人民日報の論評などを追加して更新します)
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著者:Bloomberg News
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