中国各地で新型コロナウイルスの局地的流行が拡大し、防疫措置が強化されるなか、サービス業の景況感が急激に悪化している。
4月6日に発表された3月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は42.0と、前月(50.2)より8.2ポイントも急落。好不況の目安である50を大きく割り込み、(中国国内で新型コロナが大流行した)2020年3月以降の最低値を記録した。
前週の4月1日に発表された3月の財新中国製造業PMIは48.1と、前月(50.4)より2.3ポイント低下して同じく50を割り込んだ。製造業とサービス業の景気が同時かつ急速に悪化しており、新たな「コロナ危機」の打撃の大きさを物語っている。
サービス業の3月の事業活動は、需要側と供給側の双方で顕著に収縮した。需要の動向を示す新規受注指数は、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを半年ぶりに下回った前月から、さらに低下。外需も引き続き弱く、サービス輸出の新規受注指数は2020年11月以降の最低値だった。
景気悪化とコスト上昇のダブルパンチ
新型コロナの流行拡大に景気の悪化が重なり、企業は雇用への消極姿勢を強めている。サービス業の3月の雇用指数は3カ月連続でボーダーラインを下回り、好転の見通しが立たない状況だ。
それだけではない。折からの原材料費、物流費、人件費などの値上がりに、新型コロナの防疫対策の費用が加わり、企業はコスト圧力の増大に直面している。サービス業の(仕入れ価格の指標である)投入価格指数は半年ぶりの低水準を記録した前月から、3月は再び上昇に転じた。
一方、(販売価格の指標である)サービス提供価格指数は、3月は引き続き上昇基調だったものの、需要縮小の影響を受けて過去7カ月の最低値を記録した。一部の調査対象企業からは「新規受注を得るため、やむなく値下げに踏み切った」との声が聞かれた。
事業の先行きに対する見方も厳しさを増している。サービス企業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、3月は長期平均線を割り込み、2020年9月以降の最低値となった。
調査対象企業からは、新型コロナ流行の収束時期が見通せないことへの困惑とともに、ロシアのウクライナ侵攻による事業環境の不確実性の高まりを懸念する声が寄せられた。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は4月6日
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