会社を辞め「古びた祖父の店」継ぐ青年の強い覚悟 漫画「用九商店」(第1巻)

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よろず屋を中心に、日常を懸命に生きる人々の交流、そして1人の青年の学びと成長を描き、台湾で多くの読者の心をつかんだ作品、『用九商店』を紹介します

「祖父が倒れた」という知らせを受けて、数年ぶりに台北から故郷の田舎町に戻った楊俊龍(ヤン・ジュンロン)。祖父が営んでいた「よろず屋」を俊龍は店じまいするつもりでいたが――。

用九商店 1
『用九商店(1)』(トゥーヴァージンズ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

日本にもかつて、多くあった「よろず屋」。俊龍は、そこが祖父だけでなくさまざまな人々の記憶が詰まっている場所であることに気づく。「そこにあるだけで安心させるものがある」。

都市化が進む台湾でも、よろず屋のようなお店は徐々に消えつつある。そんなよろず屋を中心に、日常を懸命に生きる人々の交流、そして1人の青年の学びと成長を描き、台湾で多くの読者の心をつかんだ作品が『用九商店』だ。

2017年、台湾の漫画界で最高の栄誉とされる「金漫奨(きんまんしょう)」において「年間漫画賞」「青年漫画賞」をダブル受賞、2020年には金漫奨に新設され、読者投票で選ぶ「インターネット人気賞」で第1位を獲得した阮光民(ルアン・グアンミン)の名作「用九(ようきゅう)商店」。その第1話を紹介します。

この記事の漫画を読む(47ページ)
ルアン・グアンミン 漫画家

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るあん・ぐあんみん

阮光民。漫画家。スッキリした作風と、ユーモアある感性豊かな筆致が特徴。台湾社会に根ざす温かみあるストーリーを得意とし、登場人物の思い、人間関係、心の機微をきめ細やかに描く。また、自身が描く台湾の風景には定評があり、レンガ一つ、草木1本に至るまで伝えたい優しさが込められている。数多くの漫画賞を受賞、国際舞台でも活躍。代表作に『刺客列傳』『東華春理髪廳』『幸福調味料』『天國餐廳』など。

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沢井 メグ ジャーナリスト

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さわいめぐ / Megu Sawai

大阪教育大学卒。上海・同済大学に留学、学校法人で中国語通訳・翻訳、2010年上海万博日本館での勤務を経てライター / 編集者となる。2020年に独立。東洋経済オンラインで台湾の経済誌『今周刊』の翻訳を行うほか、中国・台湾エンタメや文化、時事ニュースなどを中心に多数執筆、翻訳。イラスト制作も行う。また自身の地方移住や双子育児の経験を元にしたコラムにも取り組む。 主な訳書にルアン・グアンミン著『用九商店』、毎日青菜著『DAY OFF』、『TAIWAN EYES GUIDE FOR台湾文創』翻訳パート(共にトゥーヴァージンズ刊)。Twitterアカウント @Megmi381 / Instagramアカウント @megmi381

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