東証の市場再編で「上昇しそうな企業」はどこか 金融相場から業績相場移行へのきっかけを期待

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1991年当時の東京証券取引所。4月の新市場スタートは相場にどんな影響があるだろうか(写真:Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)

東京証券取引所では、いよいよ1部・2部・ジャスダック・マザーズ市場が役目を終えて、4月4日からプライム市場、スタンダード市場、グロース市場となり、新しい取引がスタートする。

新市場は投資家にとって使いやすくなるか

思えば、1949年5月16日に戦後の取引を再開した同取引所は、幾多の改革・改善を加えながら、日本経済の発展に貢献してきた。だが、本格的な改革・再編は今回が初めてのことであり、いわば「73年ぶりの大祭典」だ。

この再編が投資家にとって使いやすい、なじみの取引の場となることができるか。まずは本日4日から手探りのスタートとなる。

なじみといえば、日経平均株価は今でこそ「日経平均」として定着しており、ほかの何物でもないが、筆者が証券界に入った1970年頃は日経平均の名称は「ダウ」だった。

「えっ? ダウって、アメリカでは?」とお思いだろうが、当時の投資家や業界人は何の疑問を持たず、日経平均は「ダウ」だったのである。

そもそも日経平均の算出は、戦後の取引が再開されてから1年あまり経った1950年9月7日に、東京証券取引所がアメリカのダウ・ジョーンズ社のノウハウを買って「東証修正平均株価」としてスタートした。

話し言葉で長い名前を嫌うのは今と同じで、市場関係者は皆「東証修正平均株価」とは言わず、単に「ダウ」と言っていた。では、今のNYダウはどう呼んでいたのか。これも簡単に「米ダウ」だった。したがって、ダウといえば日本が本家と思っていた投資家も多かったと思う。

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