本当に「保護犬・猫」?ペット業界の知られざる裏側 これから飼う予定なら知っておくべき重要事項

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これから保護犬、保護猫を譲り受けようという人こそ知っておくべき「業界の裏側」を、ペットジャーナリストが明かします(写真:kotoru/PIXTA)

近年は動物愛護の精神が広がり、自治体の動物愛護センターや動物愛護団体などが譲渡する保護犬・保護猫を家族に迎えようと考える人が増えています 。しかしながら、そのような人たちの善意を逆手にとる動物取扱業者がいるのも事実です。

表向きは「社会貢献をしている優良な業者」とアピールしながら、実際は店頭で販売できない犬や猫を保護犬や保護猫と偽って譲渡したり、譲渡条件にさまざまな商品の契約を付けて必要以上の収益を得たりと、本来の保護活動に水を差すような活動が見られます。

今回は、筆者が実際に受けた相談事例から、保護犬や保護猫を譲渡する動物取扱業者の問題について考えてみたいと思います。

家族全員がその愛らしい姿に一目ぼれ

首都圏在住のAさんは、飼い猫の遊び相手に保護猫をと考えてネット検索していたところ、あるペットショップのホームページに、生後5カ月のメインクーンが保護猫として掲載されているのを見つけました。家族全員がその愛らしい姿に一目ぼれ。その子猫がいる店舗が自宅から近かったこともあり、実際に見にいくことにしました。

店で店員にいろいろと聞いてみると、基本的に子猫は譲渡なので無料でしたが、ワクチン接種や健康診断などの諸費用がそこそこ高く、ペット保険の加入やペットフードの購入も譲渡条件に含まれていました。

思った以上に費用がかかることを知ったAさんは、一度家に戻って家族と相談することに。店員の返答に曖昧な部分が多かったので、改めてホームページをチェックしたところ、掲載されている犬や猫はすべて純血種。しかも1歳未満の子が半数以上でした。

「これって保護された子たちではないのでは?」。そう疑問を感じたAさんがこちらに相談をしてきたのでした。

Aさんによると、店員はその子猫を保護した経緯について「まったくわからない」と言う一方、健康状態に関しては「小さい頃から心臓に雑音があります」とはっきり返答していたといいます。

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