世界は、「超格差社会」の矛盾に震えている

「グローバル vs.非グローバル」が先鋭化

新たなグローバル経済においては、勝ち組と負け組がはっきりしている。高学歴の男女は、多様な国際的状況でうまくコミュニケーションを取ることができ、利益を手にしている。その一方で、必要な教育や経験に恵まれない人たちが苦労しているが、こちらが多数を占める。

新たな階級区分は貧富の違いで決まるのではない。大都市の高学歴エリートと、教育レベルが低く、柔軟性に乏しく、あらゆる点でグローバル化から取り残されている地方在住者との違いにより、階級が隔てられる。そして、疎外感を抱く人たちが、怨嗟を共有している。

米国の国民は、あまり遠くない将来、白人が少数派に転落するとわかっているのだ。現時点でティーパーティらにできるのは、「祖国を取り戻そう!」と叫ぶことくらいだ。もちろんこれは無理な要求だ。人々は多様化する社会に生きることに慣れるしか選択肢はない。

経済のグローバル化は後戻りできない

経済のグローバル化も後戻りできない。ただ規制は活用すべきだ。文化、教育、雇用を、市場の力による創造的破壊に全面的に委ねることはすべきでない。

英国労働党の影の内閣のマクファデン欧州担当相は、グローバル化が引き起こす諸問題を解決するための核心を正確に指摘している。人々にグローバル化した世界の「恩恵を受ける手段」を与え、「グローバル化した世界が人々に役立つ」ようにする、という処方箋だ。

しかし、この指摘は、教育程度が高くすでに特権を持つ人々の心には響くが、グローバル経済に疎外感を抱いている人々の共感は呼びそうにない。

これは深刻な問題だ。左派政党は、大都市のエリートを代弁する傾向を強めている。地方のポピュリズム派は大衆の憤りをかき立て、伝統的な保守主義者をさらに右側へと押しやっている。

週刊東洋経済2015年1月10日号

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