「私たちがデリバリー市場の存在を証明した」 Uber Eats日本代表 武藤友木子

印刷
A
A
武藤氏は「外出自粛でなかなか買い物に行けない状況は、ウーバーイーツへの一歩を踏み出すきっかけになった」と語る(写真は2020年2月に撮影、撮影:尾形文繁)

特集「アフターコロナの岐路」の他の記事を読む

緊急事態宣言中の都心部、大きなリュックを背負って自転車などで疾走する人が目に見えて増えた。リュックに書かれているのは「Uber Eats」の文字──。
ウーバーイーツは外食の配達代行プラットフォームで、世界各国で配車アプリを展開するUberの事業の1つだ。サイトやアプリ上で住所を入力すると近くの提携レストランが表示され、注文すると店の近くにいる登録配達員が店舗に向かいユーザーが指定した場所まで料理を運んでくれる。食事を配達してほしいユーザーと飲食店、さらには個人事業主で仕事のほしい登録配達員の3者をマッチングする役割を果たしている。
日本でも認知度が徐々に広まりつつあったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を受けて利用が急拡大した。Uber Japan社の執行役員でウーバーイーツ事業の責任者を務める武藤友木子日本代表は、フードデリバリー事業の今後をどう見据えているのだろうか。

利用者層も利用のされ方も変わった

──街中でウーバーイーツの配達員を数多く見かけるようになりました。利用はどれくらい拡大しましたか。

2016年9月のサービス開始以降、右肩上がりで成長してきたが、その加速度が新型コロナの影響でさらに増している。

サービス開始時に150店だった提携レストラン数は、2017年9月に1000店、2018年9月に3500店、3年経った2019年9月で1万4000店にまで増えていた。それが足元では3万店を超えている。この3万店は、他社の数字と違って(登録だけでなく)実際に受注しているアクティブなレストランを指す。

利用件数も伸び続けている。ユーザーに表示されるレストラン数が多いほど、ウーバーイーツのアプリやサイトを開いてから実際に利用に至る確率が高くなる。そのため、提携レストラン数の伸びと比較しても利用件数が加速度的に伸びている。

利用者層も急速に拡大している。(いち早くユーザーとなって利用した)アーリーアダプターは20代後半から30代前半と若く、ITリテラシーの高い1人暮らしの人が多かった。今は認知度も高くなってきているので、だんだん利用者が広がってきている。

──使われ方は変化しましたか。

1回当たりの注文金額が少し上がっている。これまでウーバーイーツは、「おひとりさま」向けのサービスだと思われていたのではないだろうか。それが家族用として頼んだり、外でお酒を飲めなくなった代わりにちょっと贅沢な料理を家で楽しむためだったりと、利用シーンが広がっている。

都心を中心に街でよく見かけるようになった「Uber Eats」のリュックを背負った配達員(写真:Uber Japan)

1人当たりのオーダー件数も増えている。数字は出せないが、違いとして見られるくらい、注文件数が顕著に増えている。

──飲食店側からは、通常税込み価格に対して35%かかるウーバーイーツへの手数料が高いという声もあります。ウーバーイーツはどれくらいの利益が出ていますか。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アフターコロナの岐路
「インフラからプラットフォームに領域を広げる」
三菱UFJフィナンシャル・グループ 亀澤宏規社長
「多品種、多国籍が強みになる」
ミネベアミツミ 貝沼由久社長
「音楽は変わらない。楽しみ方は変わる」
ヤマハ 中田卓也社長
「ネット社会と付き合うリテラシーが求められる」
イー・ガーディアン 高谷康久社長
「世界をリードする技術革新力が必要だ」
東京エレクトロン 河合利樹社長
「生き残る配信事業者は3つ。そこに入りたい」
U-NEXT 堤天心社長
「コロナで『第5次産業革命』が起きる」
パソナグループ 南部靖之代表
「車の需要は多様化する。新たな収益源に挑戦していく」
ヤナセ 吉田多孝社長
「移動サービスで街を活性化させる」
Mellow 森口拓也代表
「ゲームはディズニーやネットフリックスより稼げる」
ネクソン オーウェン・マホニー社長
「ゲーム内コミュニテイはさらに広がる」
スクウェア・エニックス・ホールディングス 松田洋祐社長
「オールジャパンでワクチン開発を」
大阪大学 森下竜一教授
「科学に基づいた知見や製品を広めていく」
島津製作所 上田輝久社長
「今こそ宗教の多様性が求められている」
東大寺 狹川普文別当
「社内の“空気"が日本企業のM&Aを止めている」
GCA 渡辺章博社長
「商品数は半減、“演出"はどんどん増やす」
ゴールドウイン 渡辺貴生社長
「100円ショップでも100円にはこだわらない」
ワッツ 平岡史生社長
「在宅勤務で家計の負担は増え続ける」
CDエナジーダイレクト 山東要社長
「買収は積極的に仕掛ける」
カインズ 土屋裕雅会長
「量から質へ、自動車ビジネスは商売のやり方を変える」
旭化成 小堀秀毅社長
「中間管理職より“中間経営職"を目指せ」
経営共創基盤 冨山和彦CEO
「地球温暖化への危機感がいっそう増している」
気候変動イニシアティブ 末吉竹二郎代表
「観戦が主軸のビジネスモデルを変えていく」
新日本プロレス ハロルド・ジョージ・メイ社長
「“小粒"のサプライヤーのままでいたくない」
ジーテクト 高尾直宏社長
「リモートファクトリーの推進役に」
川崎重工業 橋本康彦社長
「ローカル重視のサプライチェーンが広がる」
NTT 澤田純社長
「危機時にこそ、投資を続ける」
リクルートホールディングス 峰岸真澄社長
「カメラに従来と違う魅力が生まれている」
キヤノン 戸倉剛常務執行役員
「生活スタイルに合わせて、鉄道ビジネスも変えていく」
JR東日本 深澤祐二社長
「損保のデジタル化が加速する」
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 原典之グループCEO
「日本の自動車産業を刺激する。それができたら十分だ」
モネ・テクノロジーズ 宮川潤一社長
「次世代トラック開発に、遅れも焦りもない」
日野自動車 下義生社長
「適正な運賃を求めていく」
佐川急便 本村正秀社長
「私たちがデリバリー市場の存在を証明した」
Uber Eats日本代表 武藤友木子
「低単価レストランにもう一度挑戦する」
サイゼリヤ 堀埜一成社長
「起業する若い人たちの気持ちは冷えていない」
ジャフコ 豊貴伸一社長
「前の体制にはもう戻れない」
ジャパンエレベーターサービスホールディングス 石田克史会長兼CEO
「動画配信の世界でいろんなコラボをしたい」
スカパーJSATホールディングス 米倉英一社長
「科学的根拠に基づき、コロナと共存していく」
マルハン 韓裕社長
「ウェブでの顧客接点を増やしていきたい」
NTTドコモ 吉澤和弘社長
「鉄道運賃のあり方を根本的に進化させる」
JR西日本 長谷川一明社長
「自販機事業への投資こそが成長する道だ」
コカ・コーラ ボトラーズジャパンHD カリン・ドラガン社長
「在宅勤務で生まれた課題を解決する」
富士ゼロックス 玉井光一社長
「都市の構造は簡単には変わらない」
早稲田大学理工学術院 森本章倫教授
「社員に来てもらえるオフィスが必要だ」
シービーアールイー 坂口英治社長
「都会の視点で地方交通の問題は解決できない」
両備グループ 小嶋光信代表兼CEO
「加熱式で巻き返すチャンスはある」
日本たばこ産業 寺畠正道社長
「米中に続く“第三極"の強みをいよいよ発揮できる」
Zホールディングス 川邊健太郎社長
「循環型社会をグローバルに実現したい」
メルカリ 山田進太郎社長
「コロナワクチンを焦って開発しない」
塩野義製薬 手代木功社長
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内