諸外国と比べ日本の医療の特徴は民間病院の多さだ。病床数の約7割を民間病院が占めている。公立病院の改革が促される中、民間病院が果たす役割とは何か。多くの民間病院が加盟する日本医療法人協会の加納繁照会長に話を聞いた。
──公立病院と民間病院の違いは何でしょうか。
日本の医療は民間が主体になっている。例えば救急搬送受け入れ件数の約6割を民間が担っている。これを都道府県別に見れば地域差がある。
民間の救急搬送受け入れが最も高い埼玉県は78%であるのに対し、最も低い富山県は7%だ(2017年)。民間が5割以上を占める地域は首都圏や関西の都市部が中心だ。
高齢化社会によって、今後は75歳以上の人口が増加する。東京都や大阪府、神奈川県、埼玉県、千葉県などは高齢者が増える。こうした都市部でも民間病院の重要性が増していく。
一方で、人口減少が進む地方や僻地は採算性が低く、民間では経営が成り立たない。公立病院は赤字を出しても自治体から税金(繰入金)が投入されるが、民間は2期連続で赤字を出せば銀行からの借り入れが難しくなる。こうした地域では公立病院と補完的な関係を築く必要がある。
公立病院への多額の繰入金(自治体からの補填)を寛容できる時代ではなくなっている。厚生労働省による再検証病院の発表は妥当だろう。ただし、公立が医療を担う地方と民間中心の都市部は分けて考えるべきだ。
巨大病院はいらない
──病院の再編・統合で大規模な病院が増えています。
病院の新築や建て替えは現在、自治体の首長にとって唯一つくりやすい箱モノになっている。私が懸念するのは地域医療構想がこうした箱モノづくりの格好の材料になっていることだ。
この記事は有料会員限定です
残り 765文字
