有料会員限定

売却案件は引きも切らず、盛り上がる病院のM&A 1床=1500万円が目安だが潮目の変化も

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 最新
拡大
縮小
東芝病院を引き継いだ東京品川病院。275億円で譲渡された

特集「病院が壊れる」の他の記事を読む

今から振り返ること2年ほど前の2017年秋、医療関係者の注目を集めた、病院の事業譲渡に関する入札が実施された。その病院は、品川区東大井の東芝病院。不正会計で揺れていた東芝が、経営再建策の一環として事業譲渡する方針を打ち出したからだ。

東芝病院は、東芝が1945年に設立した企業立病院。当初は社員や家族の診療を目的にした職域病院だったが、途中から一般患者も受け入れるようになり、地域に根差した病院となっていた。ただし毎年、赤字を計上し業績は芳しくなかった。

「東芝がやっていたからうまくいかなかっただけで、立地や施設を考えればポテンシャルは高い。これだけの“出物”はなかなかない」(病院のM&A〈合併・買収〉に携わる投資ファンド幹部)

医療関係者の間では、そうした声が上がるほど関心が高く、1次入札は8社前後に上った。応札したのは、サテライト病院として活用したいと考えていた大学病院、大手病院グループ、周辺の病院などそうそうたるプレーヤーばかり。その後、2次入札も実施され、価格は吊り上がっていった。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
病院が壊れる
病床利用率の低下で危機に直面する
これから多発する地方の再編問題
インタビュー病院の未来1/慶応大学 教授 印南一路
ワーストは横浜市立脳卒中・神経脊椎センター
現地ルポ|地域医療の牙城を守れるか
インタビュー病院の未来2/日本病院会 会長 相澤孝夫
Part2 民間病院の危機|病院も経営力の時代
病院が壊れる
大病院さえ直面する非常事態
Part1 公立病院の苦悩|再編・統合が進まぬ現実
「424病院」公表の副作用
時代錯誤の「無償奉仕」が蔓延
インタビュー病院の未来3/日本医療法人協会 会長 加納繁照
1床=1500万円が目安だが潮目の変化も
架空の売却話も飛び交う
稼ぐ民間病院の実力!
都心ブランド病院の天国と地獄
インタビュー/厚生労働相 加藤勝信
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内