金物加工の町として知られる新潟県の燕市と三条市。上越新幹線・燕三条駅を降り、目の前にある北陸自動車道高架下をくぐるとすぐ、広い空き地が見えてくる。周辺にはこの空き地へと続く新たな道路も整備されつつある。白いフェンスに囲まれた更地に建設されるのは、高度医療の中核病院として県が設置する「県央基幹病院」だ。
用地面積は4万2503平方メートル。9階建て450床の病院には救命救急センターも入る。その隣には三条市が設立する三条技能創造大学(2021年開校予定)の校舎が建設中だ。看護師などの医療職を育成する市立の専門学校も併設される。田んぼが広がっていた駅前の風景は、新病院を中心にがらりと変わりつつある。
ところが19年6月、この県央基幹病院の見直し議論が突如浮上した。19年度中に用地の整備工事を終え、20年度から建築工事に入る予定だったが、それに「待った」がかかったのだ。
降って湧いた見直し
23年に開設を目指す県央基幹病院は、三条市のJA(農協)新潟厚生連三条総合病院(199床)と燕市の県立燕労災病院(300床)が統合してできる。三条総合病院は厚生農業協同組合連合会が運営する公的病院。一方、燕労災病院は労働者健康福祉機構が運営していたが、基幹病院への移管に向けて18年から県立となった。基幹病院を新設するのは、燕市と三条市などを中心とする県央2次医療圏に、これまでなかった救命救急センターをつくるためだ。
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