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東京の都心部でも安泰ではない、医療法人倒産はなぜ起きるのか Part2 民間病院の危機|病院も経営力の時代

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「今日をもってこの法人は解散。従業員の方は全員解雇となります」

東京都中央区京橋にある高層ビル「京橋エドグラン」。都心のビジネス街にそびえ立つこの建物の24階に入居していた石井クリニックでは2019年の9月末、業務終了後に40名余りの従業員が突然集められていた。戸惑う従業員に向かって、クリニックの理事長や弁護士が告げたのが冒頭のせりふだった。

「ついにXデーがやってきたんだな、と」。それまでにクリニックの異変を感じていたある従業員は、当時のことをそう振り返る。

石井クリニックを運営する医療法人社団光人会は9月20日に破産手続きを開始。帝国データバンクによると、負債総額はおよそ9億円に上った。

石井クリニックはJR東京駅にほど近い京橋エドグランの高層フロアに入居していた。室内のしつらえも豪華。VIP専用の点滴ルームや、最新鋭の内視鏡検査機器を複数そろえていた

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石井クリニックは、「新日本橋石井クリニック」として医師の石井光氏が中央区日本橋の小舟町で1996年に立ち上げ、18年5月に京橋エドグランに移転した。

石井氏は内視鏡医としての評判が高かったといい、移転前の日本橋時代から内視鏡検査がクリニックの収益の中心になっていた。1件数万円で、大腸や胃の検査を請け負っていた。またビジネス街に近いという場所柄、企業の健康診断を多く手がけていた。

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