長年通い慣れていた病院が突然なくなる。そんな日がいつ来てもおかしくないほど、病院を取り巻く環境は厳しい。
日本の病院数は2000年の9200超から、18年には8400弱へとこの間一貫して減り続けてきた。しかしそれでも人口当たりの病床数はドイツやフランス、米国など経済協力開発機構(OECD)加盟の先進諸国と比べ圧倒的に多い、「病院過剰国」だ。
一方、医師や看護師など医療スタッフは不足している。医師の絶対数は少なく、さらには診療科間での偏在がある。医学部の定員は増えたとはいえ、地方を中心に相変わらず医師不足にあえいでいる。
現場の医師には過重な労働がのしかかる。救命救急機能を有する病院の8割超は、週の勤務が80時間超の医師がいるとしている。
その一方で入院患者数そのものは大きく減っている。医療の高度化により入院日数が短くなっていることに加え、診療報酬が減額されるようになったことで長期入院が避けられているためとみられる。日本の人口はすでに15年から減少に転じており、今のままの病院数では、需給ギャップはますます開くことになるだろう。
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