am/pm統合で経験を積むファミリーマートの自信
長引く売却交渉で店、人心とも疲弊したam/pm
am/pm統合で東京都内での店舗数は業界トップに躍り出た。ファミマに改装した店舗の日販(1日当たり売上高)は、平均して3割弱アップで推移している。
am/pmとファミマの統合交渉の歴史は古く、最初に金融機関経由で打診があったのは04年。金額面で折り合わず、am/pmはレックス・ホールディングス傘下となったが、レックスの買収額171億円はファミマの提示額の倍以上だった。08年にも買収話が持ち上がり、複数社が交渉。09年にローソンが優先交渉権を獲得したが、am/pmの商標権を持つ米エーエム・ピーエム・インターナショナルがブランド残留にこだわったこともあり、白紙になった。
その後、今度はファミマの大株主である伊藤忠商事経由で打診があり、改めて検討することになった。ファミマはブランド統一を譲らず、最後は米社も折れた。
長引く交渉の過程で、am/pm店舗へは満足な設備投資もされなかった。商品力も見劣りし、社員や加盟店オーナーも疲弊してしまった。
子会社化後、ブランド統合の指揮を執った中平義人・執行役員(ampm事業・統合本部長)は、am/pm全社員を六本木のam/pm本社に集め、待遇保全など今後の見通しを披瀝、「何よりも両社の文化の融合に気を配った」という。
アルバイトの教育システムなど、ファミマの最新のスキルをam/pmのスーパーバイザーに注入。店舗内外の清掃作業を強化するなど、オペレーションはファミマに一本化したが、「スープなどam/pmが強い商品の中には、ファミマ既存店に導入したものもある」(中平氏)。
すでに海外に9000店弱を持ち(前ページ左下グラフ)、世界店舗数ではセブン‐イレブンに次ぐ2位の座を不動にしているファミマは、オペレーションのグローバル化を進めており、文章でなく写真重視の店舗マニュアルを導入している。am/pmでも、これが大いに役立った。
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