パナの大物幹部が電撃移籍 テスラとの熾烈な攻防
米テスラとの協業に社運を懸けるパナソニックに衝撃が走った。今秋、パナの元副社長でテスラとの交渉窓口だった山田喜彦氏がテスラに引き抜かれたからだ。「情報が駆け巡ったのは9月末から10月上旬。社員の多くが耳を疑った」(パナ関係者)。
パナは今年1月、テスラと共同で車載用リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」(米ネバダ州)を稼働させた。電気自動車の世界的な普及を見据えた工場で、年産能力は2013年に全世界で生産されたリチウムイオン電池の総容量を上回る。
工場の投資額はパナが2000億円、テスラが3000億円に上る。互いに大きなリスクを取った投資であり、両社の関係について、パナで車載事業を統括する伊藤好生副社長は「ある意味で運命共同体」と話す。事業拡大に向けた両社の交渉は日本と米国で頻繁に行われており、その部隊には精鋭が集まっている(記事下図)。
内情知り尽くす山田氏 条件交渉に影響も?
今回の電撃人事の背景には、パナとの関係をより強化したいというテスラの狙いがありそうだ。
現在パナ傘下の三洋電機が08年にテスラの初代車種「ロードスター」に電池の供給を始めた時期を含め、両社の関係は長期にわたる。だが、テスラ側の窓口だったカート・ケルティ氏は今年7月に退社。山田氏がテスラに移籍するまで「パナとの交渉窓口は定まらなかった」(テスラ関係者)。山田氏は11月から米国に常駐し、ケルティ氏の実質的な後任として、パナを含めた電池調達に関する業務に当たっているようだ。
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