グループにおける家電事業の総本山であるアプライアンス(AP)社。本間哲朗社長に今後の展開を聞いた。
──家電事業を世界で拡大していくうえで何を重視していますか。
私が入社した当時、ビデオやラジカセといった家電は間違いなくあこがれの対象だった。だが、今のパナソニックがそうした商品を提供できているかというと疑問だ。人の目で認識できないぐらいテレビの画質を高めていたように、たくさんの技術を詰め込めばお客さんの満足につながる、と勘違いしていた部分があった。
ハイテクを積み上げればいい家電事業になるわけではない。社内では、「われわれはあこがれの価値を提供する」と言っている。特に白モノ家電は国や地域であこがれの価値が大きく異なるので、商品企画やマーケティングにかかわる組織を地域に分権化した。色やデザインで海外から日本にお伺いを立てるようなことはなくなった。
トップダウンに慣れてはいけない
──ライバル企業は?
韓国のサムスン電子、LGエレクトロニクス、米国のワールプール、スウェーデンのエレクトロラックスの4社だ。世界の競合と比べると、十分な成果を出せていない。グローバルのプラットフォームを日本でしっかりと構築し、プラットフォームの上で地域ごとに味付けした商品を素早く出していく。このサイクルをきちんと作っていけば、さらに高いパフォーマンスを上げられるだろう。
──ゲームチェンジャー・カタパルト(GCC)という新たな取り組みを始めています。
パナソニックには松下幸之助という偉大な創業者がいたので、上の人が出した大きな方向性に従うことに慣れた人が多い。ただ、そうした状態が続くと、去年と同じことを今年もやろうとする社員が増える。そうなると、(巨額赤字を計上した)2011、12年度の悲劇がもう一度起きかねないと思っていた。トップダウンマネジメントは大事だが、ボトムアップの変革を起こす力も非常に重要だ。GCCを通して現場の挑戦を促していきたい。
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