新たな100年に向けて新規事業の創出を急ぐパナソニックが、研究開発体制の大胆な見直しに動いた。
要となるのが、今年4月に新設されたビジネスイノベーション(BI)本部だ(下図)。各カンパニーの垣根を越えて、IoTやAI(人工知能)といった新しいテーマに取り組む本社直轄の体制を取る。専務執行役員兼CTOの宮部義幸氏が本部長を兼任し、副本部長には、独ソフトウエア大手SAPの日本法人で要職を務めた馬場渉氏が就任した(馬場氏のインタビュー『大企業病は必ず克服できる』)。
在籍人数は約150名。馬場氏は米シリコンバレーに拠点を置き、パナソニックの各カンパニーから集まった30歳前後の若手を中心とした約30名の部隊を現地で率いる。若手をシリコンバレーに集めるのには、周辺のベンチャー企業で働く人々との交流を通じ、社員に新しい発想を持ってもらう狙いがある。
シリコンバレーオフィスに若手人材が集結
スマホ開発で痛感した「前線化」の必要性
目下、パナソニックが進めているのは研究開発の「前線化」だ。前線化とは事業化のスピードを上げるため、事業部が日頃見ている顧客と距離が近いところに開発メンバーが入ることを意味する。
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