「カレー」「サリー」「オイル」……。パナソニックが年明けにインドで発売した洗濯機のモード選択ボタンには、日本製品では見られない機能がそろっている。
今年5月に出したテレビの新商品は「Shinobi Ultra」。Shinobi(忍び)のネーミングは現地法人のインド人の発案によるもの。インド映画の見どころであるダンスシーンでの重低音がよく響くのを売りにしている。こうしてインドで展開される家電製品が独自色を打ち出せるのは、本社主導の経営から転換したからだ。
家電事業は“戦犯” 失地回復の打開策
家電事業を束ねるアプライアンス(AP)社は2016年度の営業利益で全体の約3割を稼ぐ。AP社の本間哲朗社長は、「家電事業はパナソニックを危機に陥らせた戦犯だと思う。それが、(大赤字だった)テレビを抱えながら、営業利益率で5%を狙えるところまで来た」と回復の手応えを語る。
ただし、パナソニックが経営資源を集中的に投下しているのは、高成長事業に位置づける車載事業だ。かつての主役だった家電は今や成長分野を支える側にある。本間社長も「B to Bにリソースを大きくシフトする中、家電は何を旗印に成長していけばいいのか。非常に悩んだ」と吐露する。
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