共産党に朗報、供託金が8億円も返ってくる!

データで読み解く、共産党大躍進の軌跡

では得票数を増やした要因は何なのか。一般的に言われるのは、「集団的自衛権の閣議決定など、右傾化する与党に対する批判票が集まった」というもの。しかし、実際には2012年の自公の票数は小選挙区が2652万9190票、比例が2374万931票。2014年では小選挙区が2622万6818票、比例が2497万3152票であり、ほぼ横ばいといえる。

注目は日本維新の会(当時)だ。2012年の総選挙において、維新の会は小選挙区で694万2353票、比例で1226万2228票を獲得している。それに対し、日本維新の会が分裂して誕生した維新の党と次世代の党が2014年に小選挙区で獲得した合計票数は526万7040票(維新の党が431万9645票、次世代の党が94万7395票)、比例は979万7618票(維新の党が838万2699票、次世代の党が141万919票)だった。選挙区で167万5313票、比例で246万4610票も失っているのだ。また2012年総選挙でみんなの党が得た選挙区280万7244票、比例524万5586票の行方も興味深い。2012年の選挙では一定の人気を誇っていた、これら「第3極」の票が、民主党と共産党に流れ込んだわけである。

しかし、これだけでは、とくに共産党に多くの票が流れていった理由を説明できない。そこでポイントになるのが、「自共」「公共」の一騎打ち選挙区が急増したことだ。

野党共闘の失敗などにより、「自共対決」となった選挙区が25カ所もあった(2012年は4カ所のみ)。これらの選挙区で共産党は、10%台後半から30%台の高得票率だった。さらに大阪3区、大阪5区、兵庫8区では共産党と公明党の一騎打ちとなっており、共産党はそれぞれ42.79%、42.47%、39.12%の得票率だった。一騎打ち選挙区において、与党への批判票がダイレクトに共産党に入ったことによる得票の積み増しは大きかった。

無視できない"不破効果"

また“不破効果”もあったように思う。不破哲三元同党委員長は、12月10日に京都四条河原町で演説し、11日には沖縄に入っている。京都1区の得票率は約10ポイント跳ね上がり、不破氏が11年ぶりに演説したという沖縄1区では20ポイント以上も上昇し、念願の小選挙区当選を果たしている。

もっとも、こうした“風”の実感は、投開票日以前からあったようだ。政党助成金を拒否している共産党は、選挙資金をねん出するために「選挙募金」なるものを行い、積み立ててきた。さらに街頭などで演説会を開催する時、「供託金募金」を行ってきたが、これらの金額が2億円近くにのぼったという。

アベノミクスの是非について国民に問うた衆院選において、議席数ばかりではなく、募金や供託金の返金でも大躍進を遂げた共産党。では、返還された供託金はどうするのだろうか。「次の選挙のために積み立てておきます」(植木俊雄同党広報部長)。テクニカルな面に着目すれば、次回選挙において一騎打ち選挙区が減ってしまえば、ふたたび得票率は沈む可能性もある。それだけに、今回の躍進を過大評価することは、慎んだほうがいいようだ。

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