「安倍首相は当面、強硬的なことをしない」 ケント・カルダー氏が首相の長期戦略を予測

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ケント・カルダー●ワシントンD.C.のジョン・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究センター長。2003年に SAISに着任する以前は、20年間プリンストン大学で教鞭を取り、ソウル大学校の客員教授、ハーバード大学政治学講師も務めた。駐日アメリカ大使特別補佐官(1997年から2001年)、戦略国際問題研究所日本部長(1989年から1993年、および1996年)、ハーバード大学日米関係プログラム初代事務局長(1979年から1980年)などの役職を歴任。(写真:ジョン・ホプキンス大学HPより)

――総選挙の結果、安倍連立政権は3分の2以上の議席を維持しました。この選挙は安倍氏にとってどんな利点があったのでしょうか。

安倍首相は在任期間を4年も伸ばせるという大きな利益を得ました。来年、自民党総裁に再選することも含め、安倍氏は2018年まで首相を続投する可能性が高まりました。また再度選挙に勝って自民党の総裁任期に関する規定を変更すれば、2020年の東京オリンピックまで続投する可能性もあります。

――自民党が勢いを増すという事前予測もあった中、わずかながら議席を失ったことは何かしらの意味を持つでしょうか。

自民党の議席数が増えるという事前予測が出たことが、議席減少につながったと私は考えています。これは反発効果によるものです。概して、日本人は一党が強くなり過ぎることに嫌悪感を持つものです。

公明党が事実上の野党になる

――公明党が議席を伸ばしましたが、これにより集団的自衛権や原発再稼働といった議論の多い問題についての実行が難しくなるのでしょうか。

確かに一部の政策については合意を得るのが困難になるかもしれません。しかし自民党単独では安定多数に達していないため、引き続き公明党に頼らざるを得ません。

公明党は政権内において野党的な存在になると思われます。他の党はとても弱く、バラバラ。海江田万里氏が議席を失った民主党は、特に混乱しています。

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