単語や年号、解法を丸暗記して、一度きりのペーパーテストに勝負をかける──。こうした大学入試は過去のものになりつつある。高校・大学での学びのあり方を大きく変える「高大接続改革」が、国によって進められているのだ。
これは高校教育と大学教育、これらをつなぐ大学入試をすべて改革するというもの。2015年3月から文部科学省で高大接続システム改革会議が開かれ、16年3月に最終報告が出された。
改革の背景にあるのは、グローバル化やICT(情報通信技術)化によって社会が激変する中、求められる人材やスキルが変容してきたことだ。これまで高校や大学では教員が一方的に授業を行うことも多く、受け身の学習になりがちだった。また、大学入試で求められる能力も知識や解法パターンの暗記に偏りがちで、入学後や卒業後にはあまり役に立たないとの批判も少なくなかった。
近年は、前例のない課題に立ち向かうスキルがますます重要になっている。高大接続改革の最終報告でも「先行きの不透明な時代であるからこそ、多様な人々と協力しながら主体性を持って人生を切り開いていく力」、また「知識の量だけでなく、混沌とした状況の中に問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質や能力」が重要になるとしている。
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