売り手市場が続いているが専門職・資格に強い大学にも注目。
企業の採用動向は、大学入試にも大きな影響を及ぼす。2008年のリーマンショック後は一気に不況となり、大学生の就職は氷河期に突入した。当時は比較的就職しやすい理系学部、なかでも資格と直結した学部の人気が高かった。
ところがこの3年、企業の採用意欲が高まり、とりわけ厳しかった文系学部卒業生の就職が好調になってきた。今年、人気私立大学を卒業した学生も「少し上の先輩たちは業界で3、4番手の企業にしか就職できなかったようだが、今はトップや2番手にも就職できる」と言う。明らかに売り手市場に変わってきたことで、近年の大学入試では文系学部の人気が高まっている。
ただ、そうはいっても資格と直結した学部の人気は根強い。来年、大学進学する高校生が卒業するのは22年春だ。すでに東京オリンピックが終わり、景気が減速するとの見方も出ている。先を見越して、来年の入試では専門職を目指す受験生が増える可能性がある。
医師・歯科医に強い大学
その専門職の中で最難関は医学部だ。卒業後、国家試験が待っているが、17年の合格率は全体で88.7%で、新卒に限ると91.8%と高い。大学別の合格率トップは昨年に続き自治医科大学で、今年は100%となった。以下、筑波大学、名古屋市立大学、横浜市立大学と国公立大が強く、関東地方にある大学が多い。昨年に続き学部新設の動きもあり、国際医療福祉大学が医学部を開設。募集人員120人に対して志願者は3393人と人気を集めた。
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