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新大学会計のポイント 教育活動の収支が明確になった

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ICT化への対応など教育環境整備に向けた資金確保は私大共通の課題(撮影:大澤 誠)

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教育研究機関としての質を維持、向上するには営利目的ではない大学も財務の健全性や潤沢な資金力が不可欠。私立大学を経営する学校法人は、会計年度終了後の文部科学省への決算書類提出が義務づけられており、各大学のホームページでも財務状況を公開している。

企業の損益計算書に近い様式に変更

大学の決算書はわかりにくいといわれていたが、2016年提出の15年度決算から会計基準が変更されたことで財務状況が把握しやすくなった。新会計基準の最も大きな改正点は、従来の「消費収支計算書」を「事業活動収支計算書」に変更したことだ。消費収支では、学生生徒等納付金(学納金)や寄付金、補助金のほか、資産運用・売却での収支などを区別せずに表示していたが、事業活動収支では活動内容に応じてより細かく収支状況を明らかにする。

具体的には、教育活動収支、教育活動外収支、経常収支、特別収支などに分類されている。これは企業会計の損益計算書に近い考え方で、「教育活動収支差額」は本業の収支を示す営業損益、「教育活動外収支差額」は金融収入など本業以外に毎期発生する収支を示す営業外損益に相当する。そして、これらを合算したのが「経常収支差額」となり経常損益に相当する。「特別収支差額」は一時的に発生した収支である特別損益に当たる。

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