日本版NCAA構想が動き出し、注目度が高まる「大学スポーツの産業化」。それを先取りするかのように、すでに大学と企業との連携が進められている。
2016年度、箱根駅伝3連覇と大学3大駅伝制覇を史上初めて同時達成した青山学院大学。09年に33年ぶりに箱根駅伝の本大会に出場を果たすと、翌10年には8位に入り、シード権獲得の常連校となった。
青山学院大学が駅伝復活を遂げた10年ごろ、スポーツメーカー大手・アディダス ジャパンのランニング事業も右肩上がりだった。すでに有名なアスリートや大会のスポンサーになっていたが「存在感を出せないままでいたのが箱根駅伝だった」と、マーケティング事業本部でランニングを担当する山本真一郎氏は当時を振り返る。マーケティングの視点から検討したところ「青山学院大学は箱根の新しい風となり、おしゃれなイメージも自社製品にぴったり合った」。
早速、陸上競技部の原晋監督に面会、「お互いにブランド価値を高めるパートナーになりましょう」と働きかけた。その結果、12年度シーズンから両者はオフィシャルパートナーシップ契約を結ぶことで合意。当時、原監督は「アディダスの理念と、プロダクトのデザイン性や機能性に魅力を感じた」とコメントしている。
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