昨年4月に公表された日本版NCAA構想。今年3月には最終取りまとめが発表され、2018年度には統括組織も動き出す。推進役の鈴木大地スポーツ庁長官に、その意義を聞いた。

スポーツ庁長官 鈴木大地
すずき・だいち●1967年生まれ、88年ソウル五輪100m背泳ぎで金メダル。93年順天堂大学大学院修了。2000年順天堂大水泳部監督。13年から順天堂大教授。13年から15年まで水泳連盟会長を務め、15年に初代スポーツ庁長官就任、現職。(撮影:田所千代美)
──日本版NCAA構想の狙いは何でしょうか。
学生や教員、施設などスポーツに関する大学の資産が有効活用されていないという議論があった。そこで、昨年4月に日本版NCAA構想を打ち出し、その検討に向けての会議が文部科学省の高等教育局も入り、大臣主導で始まった。
大学の体育会は部費や寄付などの財政や人事がブラックボックスになっている。その透明性を確保し、大学スポーツの魅力を高めようという狙いもあった。
さらに大学は47都道府県すべてにある。地方のコミュニティづくりにもスポーツは有効。全国的にスポーツ文化を発展させていこうとしたときに、大学の利用は不可欠だ。
──大学スポーツが本当にビジネスになるのでしょうか。
インカレなどの大会が持つレベルを考えれば、もっと観客に来てほしい。テレビ放映もあってしかるべきだ。関連するビジネスにも期待したい。大学の施設は地域住民への貸し出しや、総合型の地域スポーツクラブとして活用できるはずだ。
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