有料会員限定

FCV戦略の理想と現実 「MIRAI」は未来を作れるか

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小
2014年12月に発売された「MIRAI」。トヨタのFCV第1弾として、経営陣が大きな期待をかけている(撮影:梅谷秀司)

特集「トヨタの焦燥」の他の記事を読む

100年先を見据えるとして、トヨタ自動車が開発に最も力を入れている燃料電池自動車(FCV)。水素と酸素を化学反応させて電気を作る燃料電池を搭載し、モーターで走行する車だ。今、トヨタはこのFCVの開発で「理想と現実」の狭間にいる。

トヨタのFCV開発に関する歴史は1992年にさかのぼる。この頃、世界の自動車メーカーはガソリンに代わる燃料車の基礎研究を進めており、アルコール燃料車、水素自動車、電気自動車などさまざまな可能性を模索していた。その中でFCVは実用化に向けた技術開発の壁が最も高かった。研究者や技術者にとって、FCVはまさに「理想の車」だったのだ。

その後、97年にエンジンとモーターを併用して走る世界初の量産ハイブリッド車(HV)「プリウス」が発売され、トヨタの次世代車開発は前進した。そして2014年12月、トヨタのFCV戦略で要となる「MIRAI」は発売された。当時は国が主導する水素社会の実現に向けた動きに後押しされ、MIRAIに関する期待は高まっていた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
トヨタの焦燥
「かつてはボトムアップだった」
「いつも苦言を呈す側近がいた」
「つねに100点が求められる」
「どの上司も同じ反応をする」
買収攻勢で技術を蓄積
新体制から再就職先まで全解剖
「トヨタが全部やる時代じゃない」
トヨタは「厳しい取引だが情もある」
▶▶Part3 鉄の結束は盤石か
モータージャーナリストがズバリ解説!
トヨタとは4年で決別
「MIRAI」は未来を作れるか
異業種の強者が続々参戦
▶▶Part2 激化する開発競争
カリフォルニアではエコカーから除外
「米国に工場をつくれ!」
▶▶Part1 北米市場の期待と不安
トランプ、次世代カー、ケイレツ 三つの難題
トヨタには感謝の気持ちを伝えたい
メキシコ州知事が語る日本への思い
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内