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メキシコ進出、覚悟は本物か ▶▶Part1 北米市場の期待と不安

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トヨタが新工場を建設する場所の近くに州政府が設置した巨大な看板。「ようこそ」とある

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BIENVENIDA(ようこそ)──。

メキシコ最大の自動車製造拠点であるグアナファト州。その東部の道路沿いには「TOYOTA」と書かれた巨大な看板が設置されている。そこから車で数分走ると、重機がうなりを上げ、砂ぼこりを立てながら広大な土地の造成を進めていた。もともとトウモロコシ畑だったこの場所が、トヨタ自動車の新たな生産拠点になる。

造成が進むトヨタの広大な工場建設予定地。今年の夏から建屋の工事も始まるもようだ

今年1月初旬、豊田章男社長が「工場建設をひとたび決めた以上、雇用と地域への責任がある」と発言したところ、大統領就任前のトランプ氏が、「NO WAY(ありえない)!」とツイッターでトヨタを名指しで批判。「米国に工場を作らないなら、高い国境税を払え」とつぶやいたことで、にわかに注目を集めた投資案件だ。

2000人どころか1万人の雇用を期待

思わぬ“口撃”を受けたが、トヨタは工事を着々と進めており、近くの道路は土砂を積むトラックがひっきりなしに行き交う。新工場は2019年に完成し、主力セダン「カローラ」の生産を年間20万台規模で始める予定だ。前述した看板の向かいでは建設現場で働く人の利用を当て込み、軽食を出す飲食店が昨年夏から営業を始めた。店主は「繁盛してるよ。トヨタのおかげだ」と笑顔で話した。

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