BIENVENIDA(ようこそ)──。
メキシコ最大の自動車製造拠点であるグアナファト州。その東部の道路沿いには「TOYOTA」と書かれた巨大な看板が設置されている。そこから車で数分走ると、重機がうなりを上げ、砂ぼこりを立てながら広大な土地の造成を進めていた。もともとトウモロコシ畑だったこの場所が、トヨタ自動車の新たな生産拠点になる。
今年1月初旬、豊田章男社長が「工場建設をひとたび決めた以上、雇用と地域への責任がある」と発言したところ、大統領就任前のトランプ氏が、「NO WAY(ありえない)!」とツイッターでトヨタを名指しで批判。「米国に工場を作らないなら、高い国境税を払え」とつぶやいたことで、にわかに注目を集めた投資案件だ。
2000人どころか1万人の雇用を期待
思わぬ“口撃”を受けたが、トヨタは工事を着々と進めており、近くの道路は土砂を積むトラックがひっきりなしに行き交う。新工場は2019年に完成し、主力セダン「カローラ」の生産を年間20万台規模で始める予定だ。前述した看板の向かいでは建設現場で働く人の利用を当て込み、軽食を出す飲食店が昨年夏から営業を始めた。店主は「繁盛してるよ。トヨタのおかげだ」と笑顔で話した。
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