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高齢者医療に忍び寄る崩壊のカウントダウン 患者急増、医療の人材難、財源不足の三重苦

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[ポイント1]
日本の医療費は対GDP比で世界3位。高齢者急増で現役世代の負担が限界。ベッド数などから見て過剰診療、過剰受診との声も。

[ポイント2]
後期高齢者の医療費の5割は税金と赤字国債で、将来世代への負担つけ回し。今後は高齢者の本人負担も上げざるをえない情勢に。

[ポイント3]
看護師や介護福祉士の不足が深刻。言語の壁あり外国人採用は少ない。訪問介護や在宅医療を支える住宅政策との連携が求められる。

 

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「さすがにこのままでは日本の医療はもたない」。現場の医師たちがこぞって声を上げ始めた。

引き金をひいたのが、1人年間3500万円もかかるがん治療薬オプジーボだ。日本赤十字社医療センターの国頭英夫医師は「よく効くから使わなければいけないが、ひどく高額だ。このままでは国家全体が破産してしまう」と警鐘を鳴らす(本誌6月4日号「がんとお金」)。

高齢者が数多く運び込まれる救命救急医療の現場も「このまま手をこまぬいていると、若い人も共倒れになってしまう。湯水のごとく医療費を消費するようなぜいたくを、いったいいつまで続けられるのか」(東京都立墨東病院救命救急センターの濱邊祐一部長)と危機感をあらわにする(→関連記事へ)。

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