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「がん検診を受ける高齢者はたくさんいますよ。なんせ公費助成されて、高齢になると無料になる自治体もありますからね。でも80歳以上になると平均余命は10年未満なのに、がんを早期発見する意味が本当にあるのでしょうか」
高齢者のがん検診について、ある医師に意見を求めると、そんな答えが返ってきた。
従来、メディアでがん検診を取り上げる際には、いかに受診率を上げるか、特に若い人をいかに受診させるかといった話ばかりが議論されてきた。
しかし今年6月、朝日新聞がこれまでとは違う側面からがん検診の問題を取り上げた。「高齢者のがん検診 リスクも考慮して」(6月1日付)という見出しで、「何歳までがん検診を受けるべきか」という問いを投げかけたのだ。
現在、日本ではがん検診の開始年齢は設けられているが、乳がん以外、上限は明確に決められていない。そのため、高齢になってもがん検診を受ける人が多いのだ。
厚生労働省の資料によると、後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の人のがん検診受診率は、胃がん31.7%、肺がん32.6%、大腸がん31.3%、子宮頸がん10.1%、乳がん11.7%だった(2013年の国民生活基礎調査に基づくデータ。「がん検診受診率等に関する問題点」16年6月14日健康局がん・疾病対策課)。
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