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高齢者でパンク寸前の救急救命センターの現状 このままでは「姥捨山」の復活しかなくなる

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INTERVIEW 濱邊 祐一 東京都立墨東病院 救命救急センター部長

年間3000人近い救急患者が運び込まれる、都内有数の救命救急センター。その東京都立墨東病院の濱邊祐一部長に、救命救急の現状を聞いた。

はまべ・ゆういち●1957年兵庫県生まれ。81年東京大学医学部卒業。85年から都立墨東病院勤務。著書に『救命救急センターからの手紙』など。(撮影:今井康一)

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──救命救急センターに搬送される高齢者はどれほど増えているのですか?

グラフを見て明らかなように、1992年は全体の数も少なく、ピークは20代と50代だった。それがだんだん高齢者にシフトし、搬送数も年間2500人を超え、2015年のピークは70代だ。このままいくと、若い人の収容を断るか、救命救急医療の質を落とさなければならなくなる。

救命救急センターは本来、突発的なケガや病気になってしまった人のうち、その程度が重症・重篤な人を中心に扱う。だから救急医療の「最後の砦」とも呼ばれている。

一方で、高齢者になると一つや二つ病気があって、つねに薬を飲んでいたりするのは当たり前。そのような人が倒れたとしても、それは突発でも不測でもない。それなのに、救命救急センターにそうした高齢者が数多く搬送されてくるようになってしまった。

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